本作品「ふれるストーリーボックス」はシリーズ4作品目となるオリジナル脚本のオムニバス作品。
「ストーリーボックスシリーズ」は2019年の「夜のストーリーボックス」以来、ほぼ年1作品が制作され、青春アドベンチャーではすっかりおなじみになりました。
同じオムニバス作品でも「不思議屋シリーズ」は案内役の永井一郎さんが固定で、毎回男女一組の俳優さんが各回の主演を務める形式、「ライフシリーズ」は(一部の作品を除き)大路恵美さんと内田健介さんが固定で主演する形式でした。
しかしこのストーリーボックスシリーズは毎作品、出演者が異なり、しかも同一作品内でも必ずしも各回の主演が固定されていません。
例えば本作品の主演は一応、桐山漣さんだと思いますが、第3話には主演どころか出演もされていません。
作品内の共通テーマも他のオムニバスほど縛りが強くなく、「夜」とか「東京」とかどうとでもなりそうなものばかりです。
特に本作品はテーマが「触れる」で、これを「心に触れる」的に取った作品が多く微温的なストーリーの回が多くなっています。
さて、各話の概要は以下のとおりです。
個人的にあまり乗れない作品が多く辛めの評価になっていますが、あくまで個人の感想です。
意見の違う方にはご容赦頂くとともに、是非末尾の「リスナー格付け」にご意見をご記載ください。
◆第1話 「ふれあう二人」 (美野洋平)
マウンティング気質の老婆と何事にも熱意のない若者。作者は何が言いたい?
◆第2話 「ハエを飼う女」 (杉原大吾)
ハエ…は理解できないよね。最終盤にあっと驚く展開。でももう少し伏線が欲しかった。
◆第3話 「なごみ鉄道」 (田窪泉)
幼稚な母親にちょっとイラっとする。また全般に演技に乗れず出来の悪い時の不思議屋を思い出した。
◆第4話 「ふれられない事業部」 (上原哲也)
テンポは良いがコメディにしては笑えないし、いい話というほど感動できない。
◆第5話 「卒業式を探して」 (滝本祥生)
どこか不穏なシーンからスタートし期待したが、終わってみたら、例えは安易、結論は陳腐。
正直、折角の「アドベンチャー」枠なのでもう少し外連味のある展開を期待したいです。
逆にほっこり路線を目指すなら「ソラのスケッチブック」くらい穏やかな方向に振り切るとか。
若干中途半端に感じました。
もちろんこのくらいが心地よいという方もいらっしゃるとは思います。
冒頭に書いたとおり必ずしも全作品に出演されている訳ではないのですが、敢えて主演を挙げるのであれば桐山漣さん。
2009年「仮面ライダーW」で菅田将暉さんとダブル主演を務められた方で、青春アドベンチャーでは「北海タイムス物語」や「イレーナの帰還」に出演経験がありますが主演は本作品が初めてです。
◆ストーリーボックスシリーズの作品一覧
全5話で構成されるミニ・オムニバス作品の「ストーリーボックス・シリーズ」。
不思議屋シリーズ、ライフシリーズ、10人作家シリーズの系譜を受け継ぐ脚本家競作オムニバスの最新シリーズの一覧はこちらです。