NHK大河ドラマの主演つながり

【特集:青アド・ポーカー19】NHK大河ドラマ主演つながり

このブログで紹介したラジオドラマの緩やかなつながりを紹介するこのシリーズ。
以前には、「NHK朝の連続テレビ小説」に主演している女優さんが主演している作品をまとめて紹介しました。
今回は「朝ドラ」と並ぶNHKの看板ドラマ番組「大河ドラマ」に主演している俳優さんが出演しているラジオドラマを紹介します。

「朝ドラ」との違い

ところで、「朝ドラ」は若手女優の塔竜門として機能しているのに対して、「大河ドラマ」はすでに人気の俳優さんを起用する番組です。
また、「朝ドラ」が1年に2作品を制作しているのに対して、「大河ドラマ」は1作品です。
これらのこともあり、「朝ドラ」に比べるとかなり少ない人数になってしまっています。

それでは一覧です

何はともあれご覧ください。
なお、このシリーズのお約束として、このブログで紹介済みの作品に限定しています。

1960年代

1968年「竜馬がゆく」北大路欣也さん

  • おろしや國酔夢譚

白黒時代最後の大河ドラマ「竜馬がゆく」に主演されたのが北大路さん。
その後「独眼竜正宗」などでも重要な役で出演されました。
ラジオドラマではアドベンチャーロード時代の「おろしや國酔夢譚」で大黒屋光太夫を演じていらっしゃいます。


1969年「天と地と」・1975年「元禄太平記」・1979年「草燃える」石坂浩二さん

  • ドラマ古事記

大河ドラマ初のカラー作品「天と地と」で上杉謙信を演じた石坂浩二さん。
「元禄太平記」では柳沢吉保を、「草燃える」では源頼朝を演じました。
上杉謙信や源頼朝はともかく、柳沢吉保とは随分とマニアックな主人公です。
ただ、青春アドベンチャーでは「ドラマ古事記」で太安万侶を演じているので、こちらの方がよほどマニアックではあります。
それにしても大河ドラマ3回主演とは、当時の石坂さんの人気というのものが如何に凄まじいものだったか、わかります。




1970年代

1970年「樅ノ木は残った」・1972年「国盗り物語」平幹二朗さん

  • 紅いハンカチ

「樅ノ木は残った」で隊が初出演にして初主演。
そのわずか2年後には再び大河に主演(ただし前半のみ)した平幹二朗さん。
もとは俳優座出身の舞台俳優であり、蜷川幸雄さん演出の舞台の常連でもあり、多くのシェークスピア作品にも出演しました。
FMシアター「紅いハンカチ」はご出身である広島を舞台にした作品です。



1972年「新・平家物語」仲代達矢さん

  • 夢源氏剣祭文

源平ものの大河ドラマで主役(平清盛)を演じた仲代さんが、青春アドベンチャーで担当したのは「夢源氏剣祭文」。
源平つながりにも見えますが、意図したものなのでしょうか。
ただし、「夢源氏剣祭文」での仲代さんの役割は演者ではなくナレーターです。


1980年代

1983年「徳川家康」滝田栄さん

  • 虫明亜呂無短編集

翌年から近代路線に移行することが決定していた大河ドラマで、歴史ものの集大成的に制作されたのがこの「徳川家康」。
主役の家康を演じた滝田栄さんは前年に朝ドラに出演していたもののまだあまり大物とはみなされていない時期でした。
ちなみに「虫明亜呂無短編集」に出演された当時はまだTV出演も少ない1ミュージカル俳優でした。


1987年「独眼竜正宗」・1993年「炎立つ」渡辺謙さん

  • 大黒屋光太夫

渡辺謙さんの出世作「独眼竜正宗」ですが、その後、渡辺さんが「世界のケン・ワタナベ」にまでなるとは想像できませんでした。
ちなみに正宗の父親の輝宗を演じた北大路欣也さんが、別のラジオドラマで同じ大黒屋光太夫役を演じているのは、上記のとおりです。
なお、「炎立つ」での渡辺さんは、藤原経清(ふじわらのつねきよ)と藤原泰衡(ふじわらのやすひら)の二役でした。


1990年代

1993年「炎立つ」村上弘明さん

  • 黄金のアポロ

1993年の「炎立つ」で渡辺謙さんとダブル主演した村上弘明さんですが、元仮面ライダー俳優でもあります。
個人的に大河ドラマにおける村上弘明さんといえば中井貴一さんが主演された「武田信玄」(1988年)における高坂弾正を思い出します。
NHK-FMのラジオドラマではさらにその2年前、「黄金のアポロ」に主演されています。


2000年代

2002年「利家とまつ~加賀百万石物語~」唐沢寿明さん

  • いつも誰かが…

2002年の「利家とまつ」でまつ役の松嶋菜々子さんとダブル主演だった唐沢寿明さん。
テレビドラマ「愛という名のもとに」でブレイクする前年に「サウンド夢工房」の「いつも誰かが…」に出演されています。
「いつも誰かが…」では主演の増田未亜さんの相手役でした。


2006年「功名が辻」上川隆也さん

  • あたしの知らない私の声
  • サンタクロースが歌ってくれた
  • 天使のリール

「功名が辻」は山内一豊とその妻・千代の物語です。
どちらかというと千代役の仲間由紀恵さんの方が主役格だったのかも知れませんが、一応、上川さんもダブル主役ということでここに挙げさせていただきました。
実は、上川さんは演劇集団キャラメルボックス所属の舞台役者だった時代に、初期の青春アドベンチャーに何作も(しかも割と重要でない役で)出演されています。
青春アドベンチャーファンには割と有名な事実ですが。


2007年「風林火山」内野聖陽さん

  • モンテ・クリスト伯

男臭さが魅力の内野さんが大河ドラマで演じたのが山本勘助であり、青春アドベンチャーで演じたのがモンテ・クリスト伯ことエドモン・ダンテス。
ともにいかにも内野さん向きの役ですね。


2010年代

2016年「真田丸」堺雅人さん

  • 不思議屋薬品店

2004年の大河ドラマ「新選組!」で名を上げた堺さんが、主演で戻ってきたのが「真田丸」。
一般には真田幸村として知られる真田信繁を演じます。
青春アドベンチャーでは、女優の増田未亜さん、声優の永井一郎さんとともに、2002年の「不思議屋薬品店」に主演。
第3話「恋のバストアップ大作戦」のはじけた演技が聴きどころです。


2019年「いだてん~東京オリンピック噺~」阿部サダヲさん

  • 不思議屋博物館

「いだてん」にて、金栗四三役の中村勘九郎さんと並ぶW主演をされたのが田畑政治を演じた阿部サダヲさん。
青春アドベンチャーでは「不思議屋博物館」で主演されています。
「不思議屋シリーズ」は通常、各作品、男女1名ずつが主演するのですが、この「不思議屋博物館」だけはイレギュラーで、女性側こそ全15回、高橋由美子さんが通して主演されたのですが、男性側は5話ごとに田辺誠一さん、尾美としのりさん、阿部サダヲさんが主演する形式でした。


2020年代

2020年「麒麟がくる」長谷川博己さん

  • 孤島の花

2020年放送中の「麒麟がくる」にて主役の明智十兵衛光秀を演じているのが長谷川博己さん。
「シン・ゴジラ」で矢口蘭堂を演じた方ですね。
FMシアターではご紹介した「孤島の花」以外にも、2006年「はるさんの日記」にも出演されています。
なお、長谷川さん以外の「麒麟がくる」出演者が登場するラジオドラマはこちらの記事でまとめています。


2025年(予定)「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」横浜流星さん

  • 昨日の海は

青春アドベンチャー「昨日の海は」に主演した時は若干19歳。
イケメンとして話題になった「烈車戦隊トッキュウジャー」放送終了のほぼ1年後でした。
その後、順調にキャリアを積み重ねて26歳の時に大河ドラマへの主演抜擢が発表されました。

前か後か

北大路さん、仲代さん、石坂さん、渡辺さんなどが、すでに大河ドラマの主演経験がある方の起用。
滝田さん、上川さん、内野さん、堺さん、村上さん、長谷川さんなどが、昔、青春アドベンチャー・FMシアター等に出演された経験のある方が大河ドラマの出演を勝ち取った例です。
今後も青春アドベンチャーから出世した方が増えるのが楽しみです。


■シリーズ「青アドポーカー」
作品間の緩やかな繋がりを楽しむこの企画。
その他の記事の一覧はこちらです。


Hirokazu

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