Categories: 格付:B

雨のスケッチブック 作:黒瀬ゆか他(青春アドベンチャー)

  • 作品 : 雨のスケッチブック
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : B-
  • 分類 : 多ジャンル(競作)
  • 初出 : 2024年6月24日~6月28日
  • 回数 : 全5回(各回15分)
  • 作  : (下表参照)
  • 演出 : 木村明広、藤井靖
  • 主演 : 相葉裕樹、大後寿々花

ソラのスケッチブック」、「風のスケッチブック」に続くスケッチブックシリーズの第3弾、それがこの「雨のスケッチブック」です。

オムニバス隆盛?

とはいえ公式ホームページでスケッチブックシリーズとして紹介されたことはまだないのでシリーズといえるかは微妙なところではあります。
現在の青春アドベンチャーでは「ストーリーボックス」が継続しているので、スケッチブックもシリーズだとすると2シリーズ併存。
不思議屋シリーズライフシリーズ10人作家シリーズの3シリーズが併存していた20年ほど前ほどではないですが、意外とオムニバスが増えています。
ただ、スケッチブックとストーリーボックスの違いは相変わらずイマイチわからないのですねど。

各回の内容一覧

さてそれでは各回の概要をご紹介します。
今回の通しのテーマは「雨」。
わずかひと月半前に放送された「風のスケッチブック」と対になっているのかも知れません。
というかそれぞれ5話ずつの小品ですので、ひょっとしたら同時に企画されて分けて放送されたのかもしれません。
なお、今回は全作品、 相葉裕樹さんと大後寿々花さんが共同主演的な扱いなので、各話ごとの主演欄は作りませんでした。

第1話 「雨もりラーメン」 (黒瀬ゆか)

  • 格付 : B-
  • 分類 : 幻想(日本/ライト)
  • 演出 : 木村明広
  • 概要 : ラーメンの奥深さに魅了されラーメン屋を始めたものの集客はさっぱり。しかし偶然、ある食材?に高濃度のうまみ成分が入っていることに気が付いた!
  • 一言 : 結婚絡みの話その1。こういう話、昔は主人公は当然男性だったのだろうけど、本作の主人公は女性ということに少し時代を感じた。

第2話 「アカショウビンの鳴く森で」 (桜田ゆう菜)

  • 格付 : B-
  • 分類 : 日常
  • 演出 : 藤井靖
  • 概要 : アカショウビンという赤い鳥に出逢うと幸せになれる。そういって誘ってきた友人は急遽欠席することになり、彼女の先輩である男性とふたりでバードウォッチングをすることになったのだが。
  • 一言 : 都会の生活で癒された女性が自然の中で癒される話。癒され方を含めてあまりにステレオタイプの展開なのでどうかと思ったが、まあ雰囲気は悪くない。

第3話 「アマネ」 (上原哲也)

  • 格付 : C
  • 分類 : 幻想(その他)
  • 演出 : 木村明広
  • 概要 : 完璧な気象予想システム「アマネ」で天気が完全に予想されるようになった時代。しかしアマネの開発者の娘はこの世界に納得していない…。雨に濡れるのは野蛮なの?
  • 一言 : 一種のディストピアものだがSFというほどではない。あと死んだ人の名前とか声をシステムに使うのは単純に気持ち悪いと思った。

第4話 「土砂降りとホームラン」 (小峰貴之)

  • 格付 : B-
  • 分類 : 家族
  • 演出 : 木村明広
  • 概要 : 彼女の両親への挨拶の場で「バッティングセンターでホームランを売ったら結婚を認めてやる」と無茶振りされた。でも大丈夫。自分は土砂降りの日であればなぜか野球がうまくなるのだ。
  • 一言 : 結婚絡みの話その2。ファンタジー要素があるようなないような。ただあまりこの要素が効果的でない気もする。結局、家族の絆もの?

第5話 「恋の雨音」 (小林雄次)

  • 格付 : B-
  • 分類 : 職業
  • 演出 : 藤井靖
  • 概要 : カフェで執筆していたら隣の男が私のパソコンの打鍵音が煩いと言い出した。彼はここでしかできない仕事をしているという。でも雨の音を録音しているだけでは?
  • 一言 : 今回の5人の脚本家の中で圧倒的にキャリアのある方がこの脚本を書いたことに意味があるのだろうか。小説の書き方を本にだけ頼っていてはダメとか、変に邪推してしまう。

感想総括

スケッチブックシリーズの過去作は、2回とも複数、特に気に入った作品があり今回も期待していたのですが、あまり気にいる作品がありませんでした。
例えば、結婚の挨拶をテーマにした作品が2作品あったのですが、同じシチュエーションの「風のスケッチブック」の「温風男」のような味わいは感じず。
お父さんが渡辺いっけいさんではないからか?そんなわけないか。
逆にあまり気に入らない作品もなかったのですが、それもいいことなのか悪いことなのか。
気に入らないというのは、ある意味、刺さっているということではありますからね。
今後は良くも悪くも尖った作品を期待したいです。

相葉裕樹さんと大後寿々花さん

今回は全部の話が相葉裕樹さんと大後寿々花さんが主役、あたはお二人が同等の程度でメインを貼る作品。
相葉さんは青春アドベンチャーでは「白銀騎士団 シルバーナイツ」や「悠久のアンダルス」など、割と外連味のある作品の印象が強いのですが、FMシアターでは「ボブガール、チャリボーイ」など日常系の作品にも出演されています。
一方、大後さんも青春アドベンチャーではお馴染みの方。
古くは2012年の「見かけの二重星」で主演されています。
個人的には丁度この頃このブログをスタートしたので思い出深いですね。
その他の主演は「あたたかい水の出るところ」くらいですが、「イッツ・ア・ビューティフルワールド」や「ぱきゅん」、「放課後はミステリーとともに『探偵部への挑戦状』」など脇役として印象的な役がたくさんあります。

Hirokazu

オーディオドラマの世界へようこそ!

Recent Posts

もと天使松永 作:樋口ミユ(FMシアター)

都会の雑踏の中、生ギター一本で…

2週間 ago

レオナルド・ダ・ヴィンチの恋人 作:竹山洋(FMシアター)

なんて馬鹿なんだろう。軽蔑だわ…

3週間 ago

逆光のシチリア 作:並木陽(青春アドベンチャー)

1859年。貧しい身分から身を…

4週間 ago

バスタイム 作:中澤香織(FMシアター)

中学の頃、好きなものの話が長く…

1か月 ago

近未来物語 原作:筒井康隆(ふたりの部屋)

本作品「近未来物語」は筒井康隆…

2か月 ago