青春アドベンチャー最初のオムニバスシリーズ
青春アドベンチャーで最も早く「一つのテーマに沿った一話完結の10本のオリジナル脚本で1作品」という形態をシリーズ化したのが、NHK名古屋局が制作している、この「10人作家シリーズ」です。
後にスタートした「不思議屋シリーズ」(NHK本局主導)や「ライフシリーズ」(NHK大阪局主導)が、「『不思議屋』薬品店」とか「フラワー・『ライフ』」など、各作品にシリーズ名が入るのに対して、本シリーズにはそのような決めはありません。
そのため、いつからシリーズが始まったのかわかりづらいのですが、名古屋局制作の短編集ということであれば、1996年の「新・夢十夜」から2014年の「秘密の花園」まで、非常に長期間に亘って続いています。
ああ名古屋局…
この「10人作家シリーズ」(名古屋脚本家競作シリーズ)の最大の特徴と言えば、やはり沈鬱で難解な作品が多いこと、というかそういう作品ばかりだということでしょう。
他のオムニバス作品のみならず、青春アドベンチャー全体を見回しても、これほど大人向きというか、スノッブというか、一見さんお断りというか、とにかく独特の雰囲気のシリーズは他にはありません。
それは各作品のタイトルからも想像できると思います。
10話でない作品もある
なお、このブログでは公式ホームページで使用していた「10人作家シリーズ」という表現を使いましたが、全5話の作品(「五つの夢」、「秘密の花園」)や、2回連続が基本の作品(「5 DROPS」、「新・動物園物語」)など、10人の脚本家が携わっていない作品でも、オリジナル短編であれば一緒に紹介させて頂きます。
◆「新・夢十夜」(夢、1996年)
脚本 : 二木美希子、富永智紀、伊佐治弥生、一尾直樹、高橋里実、近藤峰子、物部俊之、山根由美子、田島秀樹、大道珠貴
◆「記憶の城」(記憶、1997年)
脚本 : 大田淳子、一尾直樹、伊佐治弥生、高松優、大道珠貴、長島槇子、高橋里実、二木美希子、池田紀子、田島秀樹
◆「嘘の誘惑」(嘘、1998年)
脚本 : 富永智紀、一尾直樹、伊佐治弥生、平賀こずえ、長島槙子、大田淳子、物部俊之、二木美希子、岡島秀樹、大道珠貴
◆「悪戯の楽園」(悪戯、1999年)
脚本 : さわだみきお、物部俊之、原田明美、高岸優子、大道珠貴、大田淳子、しげげんご、横井信正、池田紀子、二木美希子
◆「マジック・タイム」(魔法、2000年)
脚本 : 二木美希子 さわだみきお 伊佐治弥生 土肥陽子 大田淳子 大道珠貴 横井信政 山内将史 原田明美 田島秀樹
◆「5DROPS」(色、2001年)
脚本 : 橋本信之、大田淳子、山内将史、二木美希子、土肥陽子、山内将史
◆「私の告白」(告白、2002年)
脚本 : さわだみきお、原田明実、山内将史、大道珠貴、はせひろいち、二木美希子、伊佐治弥生、田島秀樹、神谷千加子、土肥陽子
◆「サウンド・ドライブ」(音、2003年)
脚本 : さわだみきお、寺嶋奈美子、田島秀樹、神谷千加子、二木美希子、佐藤久美子、関澄一輝、はせひろいち、橋本信之、土肥陽子
◆「五つの夢」(夢、2011年)
脚本 : 前原研一、西脇良典、田山琢朗、瀬谷加奈子、三好理恵子
◆「新・動物園物語」(動物園(動物)、2013年)
脚本 : 伊佐治弥生、朝倉寛、佃典彦、西脇良典、仲井美樹
◆「秘密の花園」(秘密・花、2014年)
脚本 : 仲井美樹、鹿目由紀、櫻井稔、朝倉寛、西脇良典
2010年代に復活
こうしてみると明確にシリーズとして続いていたのは2003年までで、この頃、「不思議屋シリーズ」と「ライフシリーズ」が継続的に制作されていたからか、一旦途切れています。
そして「不思議屋シリーズ」が制作されなくなり、「ライフシリーズ」の制作本数も少なくなった2010年代に復活した形です。
放送時期は一貫して2月頃が続いています。
コメント
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私は片岡礼子さんの演技が大好きで、その縁もあってこの競作シリーズが好きになりました。
聞いてないのいっぱいあるな~…
音源はどこ~!
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てんさま
コメント、ありがとうございます。
本当にNHKに公式配信してほしいですよね。