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星のスケッチブック 作:田窪泉ほか(青春アドベンチャー)

  • 作品 : 星のスケッチブック
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : B-
  • 分類 : 多ジャンル(競作)
  • 初出 : 2024年9月16日~9月20日
  • 回数 : 全5回(各回15分)
  • 作  : (下表参照)
  • 演出 : 藤井靖、木村明広
  • 主演 : 華優希、多田直人

脚本家共作のオムニバス作品「星のスケッチブック」。
2024年の青春アドベンチャーはこの「星のスケッチブック」でスケッチブックシリーズが3作品も制作されることになりました。

シリーズのすみ分け?

2023年のオムニバス作品が「ふれるストーリーボックス」、「とけるストリーボックス」とストーリーボックスシリーズだったのに対し今年はなぜスケッチブックなのか。
単に演出家さんの都合(両シリーズは主導している演出家が違う)なのでしょうか?よくわかりません。

テーマで見ると…

ちなみにテーマで見るとスケッチブックシリーズは「ソラ」、「風」、「雨」、「星」と、抽象度が高く、かつなんとなく空に関係あるものがが続いています。
一方、ストーリーボックスシリーズは「」、「トーキョー」、「かおる」、「ふれる」、「とける」などシチュエーションに直結しそうなテーマ。
まあこれも無理やりな解釈なのかもしれません。

各回の内容一覧

さてそれでは各回の概要をご紹介します。

第1話 「お団子とホウキ星」 (田窪泉)

  • 格付 : B
  • 分類 : 家族
  • 演出 : 木村明広
  • 概要 : 刀を串団子に持ち替えて団子屋を始めた士族。嫁いだ嫁は厳しい姑が取り仕切る家でてんてこ舞いだが、そこにハリー彗星到来の噂が。
  • 一言 : 1910年のハレー彗星の接近時が舞台。明治時代なりの風味はあるが中身は至って普通の家族もので、ネタも自転車のチューブなどありきたり。

第2話 「ぼくの星」 (門前日和)

  • 格付 : C+
  • 分類 : 日常
  • 演出 : 藤井靖
  • 概要 : 奥多摩の駅前でぼくの「推し」が立っていた。ファンの写真で写真集をつくるという企画のカメラマン役にぼくが当選したのだ。
  • 一言 : この会の星は「りゅうざ座流星群」。ジャコビニ流星群の名前の方が有名か。内容?一番の収穫はアイドルを演じる華さんかな。

第3話 「かりそめの星」 (井出真理)

  • 格付 : B
  • 分類 : 職業
  • 演出 : 木村明広
  • 概要 : 夫の料理を食べてほしくて夫婦で開いた居酒屋。お客さんが1人も入らない日もあったが「食べごろ」に好意的な口コミが乗って以降少しづつ賑わってきた。
  • 一言 : うーん。格付けが付けづらい(笑)。本当にこのブログの戯言など気に病まず作品作りをしてほしい。私も忖度なく書き続けるけど。

第4話 「ブラックホール」 (谷口雅美)

  • 格付 : B
  • 分類 : サスペンス
  • 演出 : 木村明広
  • 概要 : 失踪したパートナーの勤め先に連絡を取ると、そんな人はいないといわれたという。それにしてもこの女、弱っているように見えて俺を誘っている…?
  • 一言 : サスペンスは言い過ぎかな。なんかもう少しで面白くなりそうな気がするが、いずれにしろ男女ともあまり気持ちの良いキャラではない。

第5話 「星空映画館」 (松田裕志)

  • 格付 : B-
  • 分類 : 家族
  • 演出 : 藤井靖
  • 概要 : フィルムでみる映画が好きだ。だから夫を二人でここに越してきて自治体の補助金などで地元の映画館を再オープンしたのだが。
  • 一言 : ジャンルと「職業」にするか「家族」にするかちょっと迷ったがプロフェッショナリズムを描いたのはちょっと違う気がした。ちょっとオシャレ味はあるが普通な話。

感想総括

上記の「一言」のとおりファンタジー要素がある作品はひとつもなく、第4話が若干煤ペンス調である以外は、全作品が現代日本を舞台にした地に足の着いた作品。
日常を割とスタイリッシュには淡々と描いているという点では1980年代にあったご先祖番組のひとつ「カフェテラスのふたり」に似た雰囲気を感じました…って殆どの方にはわからない例えですみません。
青春アドベンチャーにワクワクドキドキのスピード感あるエンタメを求める私的には評価がしづらいのですが、その方面が好きな方には聴きやすい作品だと思います。

本年2回目の主演

主演は全話、華優希さんと多田直人さん。
元宝塚歌劇団花組トップ娘役の華優希さんは2024年は「太陽の城 月の砦」に次いで2回目の主演。
同一年で2回の主演はなかなかありません。
他に2022年に「黒い瞳のボヘミアン」にも主演されています。
多田直人さんも「ヘウレーカ」(2013年)、「小惑星2162DSの謎」(2014年)、「チョウたちの時間」(2015年)、「ぱきゅん」(2019年)と過去4度の主演経験があり、安心して聴けるペアです。

華さんの存在感

オムニバスの慣例に従い、主演は2人併記としましたが、多田さんがメインなのは第2回と第4話ですし、作品全体の印象からしても主演はほぼ華優希さんだと感じました。
上記のとおり華さんは今までは現代日本とはかけ離れた青春アドベンチャーらしい舞台の作品への出演が多かったのですが、本作品では各話とも現代日本の普通の若い女性を演じており、今までとは打って変わった自然な演技です。
◆スケッチブックシリーズの作品一覧 「ストーリーボックスシリーズ」と並ぶ全5話のミニ・オムニバスシリーズ「スケッチブック・シリーズ」。 その一覧がこちらです。

Hirokazu

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