
きりしたん算用記 原作:遠藤寛子(青春アドベンチャー)
大坂冬の陣から3年。京の都を、汚い身なりの女の子が歩いていた。彼女の名は小菊(こぎく)。年齢は10ばかりだが、大坂の陣で両親を亡くしていた小菊は、奉公していた商家でも盗みの疑いをかけられ戻るところがない。それなのに、また道端で泥棒との言いがかりをつけられてしまった。そんな小菊の身を案じる人間がふたりだけいた。「だいうす町」に住む美しいきりしたんの女性ルチア。そして、京でも豪商・角倉家の一族で、和算を学ぶ吉田与七(よしち)。小菊とルチア、そして与七が出会うとにより、運命の歯車は回り始める。