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格付:A

俺たちの行進曲 作:有明夏生(ふたりの部屋)

昭和29年、福井県福井市。戦災と震災の二重苦に苦しんだこの町もようやく復興の時を迎えつつあった。そんな町の姿を映したかのように地元の越前高校に通う音楽部(実態はブラス・バンド部)の3人の男子高校生も青春の時を迎えつつあった。まだ貧しい日本。しかも洒落た娯楽などない田舎町。でも若者はいつも希望とともに生きているのだ。
格付:C

春山家サミット 作:岸田奈美(FMシアター)

世の中は理想の家族で溢れている。それなのにどうしてうちは普通の家族ができないのだろう。父は名古屋で起業すると言って家を出た。弟も福岡の大学に進学するために家を出た。母は口を開けば愚痴ばかり。うちの家族はお互いに相手を気遣うことができない。バラバラだ。一番最初に家を出た私が言うことじゃないけど。でもこのままではアカン。彼に家族を紹介できない。あたしがなんとかせなアカン。
格付:B

山のスケッチブック 作:今井雅子ほか(青春アドベンチャー)

2025年現在、NHK-FM青春アドベンチャーで継続している脚本家共作のオムニバスシリーズは「ストーリーボックスシリーズ」と「スケッチブックシリーズ」。その年ごとにどちらかのシリーズしか放送されないことが多いのですがなぜか2025年は両シリーズの作品が放送されました。ストーリーボックスシリーズは2月に放送された「ストーリーボックス ザ・マネー」。そしてスケッチブックシリーズがこの「山のスケッチブック」です。
格付:B

ある暗号兵の告白 作:滝本祥生(FMシアター)

アルバイトにあまり多くを求められても困る。「市民健康だより」の取材の時だって実は怒られてばかりだったし、写真が笑顔だったのはたまたまに過ぎない。気難しい陶芸家・前田正太郎さんが気を許してくれたわけではないのだ。ましてや戦争体験の取材なんて受けてくれるとは思えない。でも私はアルバイト、やれと言われたらやらざるを得ない。ああ気が重い…
格付:A

リフレイン -私とおじいちゃんの捜査ノート- 作:佐藤友治(青春アドベンチャー)

両親を亡くしてから心の平衡が保てなくなってしまった夏希(なつき)。だけど、いつも一緒にいてくれるおじいちゃんに支えられてようやく保健室に登校できるようになった。でもみんなと同じ時間は無理だから、朝早く登校して養護教諭の京子先生が保健室のカギを明けてくれるのを待っている。京子先生は夏希イチ押しのアニメ「弦楽の戦士たち」の推し活仲間だ。だからこの時間は楽しい。でもこの時間に学校にいたからこそ犯人だと疑われることになってしまった。その日、体育教師の若山先生が外廊下から転落したときに学校にいた女性は私と京子先生、そして親友の栞(しおり)だけ。若山先生は意識を失う前に犯人は女性だと言ったらしい…
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