職業

格付:A

嘘と餃子と設計図 作:今井雅子(FMシアター)

念願かなってハウスメーカーで設計の仕事に就いた私。 でも、うどんのトッピング感覚でプラン変更を要求してくる見込み客のわがままに振り回されて疲れ果ててしまった。 しかも、私の都合などお構いなしに電話を掛けてくる母親の相手で疲れは倍増。 なんでも疲れて弱気になった父が稼業の餃子屋をたたむと言っているとか。 もともと跡取り娘だった母にとって60そこそこで店を閉めるなんて想定外。お父さんを元気づけないといけないと偉い剣幕だ。 どうでもいいと思いつつ、跡継ぎ断った負い目のある私は仕方なく母の話に付き合っていたが、話しているうちに父を再起させるための、ある作戦に巻き込まれてしまった。
格付:A

ヘルプマン -俺たちの介護物語- 原作:くさか里樹(FMシアター)

新宿・歌舞伎町のホストと言っても百太郎(ももたろう)は万年ヘルプだ。 元同級生の仁(じん)は店のナンバーワンになったのに。 しかしある日、百太郎はその仁が特別養護老人ホームで掛け持ちでパートをしていることを知る。 介護?一体、仁はどういうつもりなんだ?百太郎はさっぱり理解できない。 しかしこれは恩田百太郎がホストのヘルプから介護のヘルプマンへと生まれ変わるキッカケだったのだ。
格付:B

常識のない喫茶店 原作:僕のマリ(青春アドベンチャー)

駅前から続くこじんまりとした商店街の先に、学生時代に通っていた喫茶アジールはある。 この喫茶店のドアにアルバイトの募集の張り紙があることに気が付いたのは求人誌を買って帰る道すがらのこと。 大手メーカーに就職したものの目標予算に追いまくられて心を病み、退職。 そこでは面倒な客に頭を下げ続けるのが常識だった。 「この店で働くにあたって一番必要なことは優しさと思いやり」 面接をしてくれたアジールのマスターはそういった。 ここでなら私も働くことができるのだろうか。 この常識のない喫茶店でなら。
格付:A

私は、スーパーキューピッド 作:菊地百恵(FMシアター)

銀行員、中野綾の出向先は徳島県の事業引継ぎ支援センター。 後継者のいない中小企業と後継者候補者をマッチングするのが仕事だ。 しかしなかなか上手くはいかない。 今日も畜産会社のマッチングがうまくいかず大学時代のゼミ友人と飲んで管をまいていたのだが、その愚痴を聞いてくれていた友人が急に言い出した。 「頼もうかな。うちも依頼できるやろか。」
格付:AA

査察機長 原作:内田幹樹(FMシアター)

昨日は成田のホテルに泊まったのに緊張でほとんど眠れなかった。 機長になって初めてのチェックフライト。 しかも査察機長はよりにもよって、あの氏原だ。 今も、彼の切れ長の目が猛禽類のように見つめている。 やりづらいったらありゃしない。 今日の成田-ニューヨーク間のフライト。 何とか無事にやり遂げないといけない。失敗したら機長の資格は剥奪されてしまうのだから。
格付:B

ボブガール、チャリボーイ 作:棚橋ますみ(FMシアター)

すみません店長、すみません、すみません… 仕事が遅いわミスばかりだわの私はコンビニや介護施設の仕事を次々とクビに。 このカラオケ店のバイトも限界に来ていた。 そして店長に罵声を浴びてとうとう接客が出来なくなり、新聞配達に転職することを決意した。 しかしとろい私には雪道を自転車に乗って配達することなどできはしない。 仕方なくソリに新聞を載せて、トナカイよろしくこれを引っ張って新聞配達を始めた。 人付き合いの苦手な私が選んだ、人と関わらないで済む究極の職業。 でも早朝の時間帯がこんなに寂しいなんて知らなかった。
格付:A

手を振る仕事 作:足立聡(FMシアター)

僕は車掌になりたくてこの鉄道会社に入った。 でも会社の同僚たちからイジメを受け体調を崩して、今は線路沿いの建物から電車の乗客に笑顔で手を振る仕事をしている。 「そんな仕事、意味あるのかな」 彼女の最後の言葉が今も頭から離れない。 そんなに僕の仕事は恥ずかしいのかな。 この部署はいらない人間の集まりなのかな。
格付:C

仮想郵便局 作:詩森ろば(FMシアター)

小さいころから私は引っ込み思案だった。 でもお話を声に出して読むのは好き。 だから地元のラジオ局「桜島ラジオ」に就職できたのは願ってもないことだった。 しかも前任者の急な降板で人気番組「仮想郵便局」のパーソナリティーの座が回って来るなんて。 「仮想郵便局」は誰かの出した手紙に、別の誰かの出した手紙をマッチングして返信として読み上げる人気番組。 でも最初の放送で気持ちが入り過ぎて大失敗をしてしまった。どうしよう。 落ち込む私にディレクターが見せたのは1通の手紙。 終戦直前、地元にあった特攻隊基地から飛び立った恋人にあてに、ある女性が出した手紙だという。 どうしよう、こんな人の人生を背負うような手紙に返信するに足る手紙なんて見つけられるのだろうか。
格付:B

鷗外 青春診療録控 千住に吹く風 原作:山崎光夫(青春アドベンチャー)

小説・詩・戯曲など自ら文学史に残る多くの著作を残した一方、積極的に啓蒙活動を行い多くの後進を見出した日本近代文学の祖のひとり。 あるいは陸軍の軍医として主要なポストを歴任し、最後には軍医総監(中将相当)にまで昇りつめた謹厳な軍官僚。 しかし、その男、森鷗外にも青春時代はあった。 小説「舞姫」へと昇華されたドイツ留学中の出来事? いやいや鷗外は留学前に“若先生”として父の医院を手伝っていた時代があるのだ。 この物語は、まだ何者でもなかった若き“森林太郎”の町医者としての日々の記録である。
格付:A

うつ病九段 原作:仙崎学(FMシアター)

頭がぼやっとする。覚えられない。考えられない。 一体どうなっちまったんだ、俺の頭は。 小学5年のときに奨励会に入会。俺のあだ名は「天才」だった。 以来、将棋一筋。 そんな俺が将棋を打てない。 心配した妻が呼んだ精神科医の兄貴が俺の顔を一目見るなり言った。 「学…。どうしたんだ。いつからこんな状態だ。」 2017年8月。俺は本格的におかしくなっていた。
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