SF(その他)

格付:B

世界から歌が消える前に 作:今井雅子(青春アドベンチャー)

私の名前はペイトン・ジョイス。 かつては100万人のフォロワーがいる歌い手だったけど、ライブ配信の度に視聴者数が減っていくプレッシャーに耐え切れず活動を停止。 今は、私を追い落としたデゼール・プロジェクのデリバリースタッフとして働いている。 私だけじゃない。 食事や歌、映画から何から何まで、今はデゼール・プロジェクのプロダクツが世界を席巻している。 合い言葉は「もう迷わない、悩まない」「みんなと同じなら間違えない」。 でも、歌を口ずさんでいる私を見て、ある子どもが発した言葉に私は衝撃を受けた。 「ねえ、それなあに?今のが歌?人間も歌うの?」
格付:A

AI(アイ)は故障中 作:桑原亮子(FMシアター)

廃墟になったかつての劇場で、老人はひとりのAIアンドロイドと出会う。 「40年型AI」、アイドル型AIの傑作と言われたそれは、しかし今は動かない。 彼女は死んでいるのか、生きているのか。 それは「生きている」の定義による、「死んでいる」の定義による。 彼女と老人と、そして若き日の老人。 過去と現在を行き来する3人の対話が始まる。
格付:B

ギルとエンキドゥ 作:樋口ミユ(青春アドベンチャー)

2101年、人類は自らを不老不死の人間“サピエンスX” (さぴえんす・えっくす)に「アップデート」させることに成功していた。 しかし、この「アップデート」は、胎児のうちに行われると、稀に深刻な自傷行為を繰り返すサピエンスXを生んでしまうという大きな秘密を抱えていた。 サピエンスXとして生まれた少年ギルもまた、母ニンスの死をきっかけに抑えられない自傷衝動が生まれるようになってしまう。 しかも同時に母を殺した使用人エンキドゥに対する殺意も抑えられない。 しかし、母はギルに、エンキドゥとともに、ある場所へ行くように遺言を残したという。 母とエンキドゥの間には何かあったのか。 そして、サピエンスXの存在が示す人の生きる意味とは。
格付:A

無限への崩壊 原作:荒巻義雄(アドベンチャーロード)

私は中央社会保管局国際心理警察機構の特殊浄化要員、いわゆる“ミュータンツハンター”だ。 ミュータンツとは、人類の中から誕生を始めた、超能力も持つ新人類。 しかし彼らの存在は人類社会に発展ではなく、混乱をもたらす。 我々の社会はそう判断した。 そう、ミュータンツは人類の一部ではない。人類の敵だ。 とはいえ外見は我々人類と全く異ならない彼らミュータンツを抹殺する任務は、ライセンスを持つハンターにとってもストレスが大きい。 思いあたるはっきりとした理由はないものの、ある時期から精神の平衡を欠くようになってしまった私は、精神分析医の元におくられることになったのだが。
格付:AA

ホワイトダスト 作:長田育恵(FMシアター)

目覚めると、そこは知らない部屋だった。 ここはどこだ… 俺はなんで… そうだ「プロジェクト」だ。 俺は、あのプロジェクトに自ら志願して冷凍睡眠に入ったのだ。 と、なると今は何年なんだ。あれから何年経った? 地球はどうなっているんだ。ホワイトダストはどうなった? くそっ、この窓のない部屋では外の様子がわからない。 女性がひとりいるだけで他には何もないこの部屋では……? 女性!?
格付:B

カムパネルラ 原作:山田正紀(青春アドベンチャー)

岩手県の花巻に向かったのは、遺言に従い母の遺骨を花巻の豊沢川に撒くためだった。 宮沢賢治が大好きだった母らしい遺言だが、毎日忙しいぼくからすると、何とも厄介な遺言だ。 普段の仕事で疲れていて、何度も寝てしまったからか道中の記憶は飛び飛び。 だが、ようやく大沢温泉郷に到着した。 後は川まで下りて遺灰を撒くだけのはずだったのだが… 現在は昭和8年9月19日、近所でやっている葬式は宮沢賢治の葬式だという。 僕は寝ている間にいつの間にかタイムスリップしてしまった? いや、そもそも宮沢賢治が死んだのは昭和8年9月21日のはずだ。 これは一体?
格付:AA

トリガー 原作:霞田志郎(青春アドベンチャー)

人類が宇宙に進出してから50年経った2088年。 「雪女のキス」と呼ばれる謎の疫病により地球上の人類は絶滅し、火星基地にわずか1万人あまりが生き残るのみとなっていた。 疫病が蔓延する地球には戻れず、かといって火星で人口を増やそうにも基地のキャパシティはこれ以上の人口増加を許さない。 人類は全ての構成員をモールという巨大コンピューターに常時接続することにより実現した管理社会で辛うじて命脈を長らえているが、先細りは明らかだった。 この世界に暮らすケイは大学生。 基地を作り上げたトオルの孫娘であるはずのケイには人に言えない、そして政府にも言えないある秘密を抱えていたのだが…
格付:C

サイコサウンドマシン  作:大原まり子(サウンドドラマ)

上司から命ぜられた新たな業務は、研究部門が制作した新型のリラクゼーションマシンをテストすることだった。 神宮寺なる胡散臭い開発者がいうには、この機械は「専用に開発された人工知能が対話をしながら精神分析を行う」仕組みで、「理想のリラクゼーションマシン」らしいのだが…
格付:B

黄金のアポロ 原作:高千穂遥(アドベンチャーロード)

その日、ついにレオンは第21代「黄金のアポロ」の座に登り詰めた。 「黄金のアポロ」、それはこの管理社会「ポリス」において最高の格闘士に与えられる称号。ポリスにおける最高の栄誉といってよい。 そして、孤児として育ったレオンこと、レオンセラトスがついに掴んだ最高の栄誉は、最高の恋人をも伴うものだった。 レオンはまさに得意の絶頂にあった。 しかし、まさにその晩、ポリスの外に住まう蛮族「バルバロイ」がポリスを強襲。 祝いの席はめちゃくちゃにされてしまう。 そして、それのみならず、バルバロイたちは口々に衝撃的な言葉を叫び始めたのだ。 「黄金のアポロ、レオン万歳! バルバロイの王!」
格付:A

ぼくらのペレランディア 原作:島田満(アドベンチャーロード)

人類最後の英雄キャプテン・ポードキンに率いられたアレフ80号が、謎の惑星ペレランディアへ向かう途上で消息を絶ったのは、ぼくが4歳のときのこと。 その後、宇宙開発は急速に萎んでいき、今では冥王星基地すら全面的に閉鎖、宇宙船もほとんど飛んでいない。 人類は地球に引きこもってしまった。 どうしてこんなことになってしまったんだろう。 ぼくは飛びたいんだ。 宇宙の大海原をどこまでも、キャプテン・ポードキンのように。 大人になったら宇宙飛行士になれる?13歳では早すぎる? でも今の状況では宇宙飛行士になったって宇宙飛行が出来る可能性は僅かだ。 それよりなにより、僕は今すぐにでも飛びたいんだ。
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