少年(幼小)

格付:A

私の翼 作:豊田愛(FMシアター)

コンビニで夕食を買い、家に帰る。そして、家のドアを開ける前に上履きを履いて、軍手をはめる。それが私の習慣。だってママはもう随分と長いこと、ご飯を作ってくれていないから。だってママが部屋中にゴミをため込んでしまって足の踏み場もないから。小学校の友達から「駅前の高級マンション」と言われる私の家。でも絶対に友達を家に呼ぶことはできない。
格付:AA

さよなら、田中さん 原作:鈴木るりか(青春アドベンチャー)

田中花実は母親とふたり暮らしの小学6年生の女の子。お母さんは、建設現場の“ガテン系”の仕事で一生懸命に家計を支えてくれているが、食卓に頻繁にモヤシが上がったり、ドリーミングランドに行くために自販機の釣り銭忘れを探し回らないといけないくらいには貧乏だ。でも、ふたりは明るく楽しく生活している。本作品は、そんな花実の周りに起こる、ちょっとおかしい、けど、ちょっと心にしみるいくつかの出来事を綴った連作短編である。
格付:AA

走れ歌鉄! 作:今井雅子(青春アドベンチャー)

戦争に負けた国は悲惨だ。戦争孤児のような弱い立場の人間にとっては尚更だ。「絶対に戦争には負けない」と言っていた大人達は、さっさと現状を受け入れて新しい生活を営んでいるが、戦争孤児達の日常は相変わらず戦いなのだ。でも占領国には媚びない。占領軍の軍人の靴を磨くときには下を向くが、心は常に前向きだ。だから「東の都」に行くのだ。行って、「少年少女歌合戦」で一等を取ってどん底から脱出するのだ。東の都まで行くお金がない?でも、軍需工場の焼け跡には、豆蒸気機関車が残っているらしい。あれさえ動かせれば、東の都にだって行けるはずだ。
格付:A

ハッピーバースデー 原作:青木和雄・吉岡多美(青春アドベンチャー)

出来の良い兄・直人ばかりを可愛がる母と、母の愛情を一心に求め続ける娘・あすか。しかし、あすかは11歳の誕生日に決定的な一言を聞いてしまう。「あんな子、産まなきゃ良かった。」ショックで失語症になったあすかは、心配した直人の強い勧めにより、宇都宮に住んでいる祖父母のもとで暮らすことになる。11歳の誕生日に始まり、12歳の誕生日に終わる、あすかの1年間の成長の物語。
格付:AA

光の島 原作:尾瀬あきら(青春アドベンチャー)

照屋光(てるや・ひかる)は東京に住む海が大好きな男の子。小学校への入学を間近に控えた光のもとに、ある日、唄美島(うたみじま)に住む伯父の洋平が尋ねてきた。父の故郷でもある唄美島は、沖縄本島の南、八重山諸島の西表島からさらに南にある南国の孤島で、近年、急速に過疎化が進んだ結果、島の人口は40人しかいない。しかも、島でたった一人の小学生が転校することになり、島の小学校は廃校の危機にあった。光のもとを訪れた洋平は海の大好きな光に唄美島への移住を熱心に誘う。もちろん光の両親は大反対したが、最終的には子供を「島の宝」として待ち望む島の人々の強い思いと、なにより光自身の希望を受け入れて、唄美島に渡ることを認める。青い海と島の独特の文化、温かい島の大人達、そしてたった一人のクラスメートとともに過ごす光の唄美島での日々が始まった。
格付:B

少年H 原作:妹尾河童(青春アドベンチャー)

昭和12年。神戸の街で仕立屋をしている妹尾家の男の子・肇(はじめ)は、背中に大きく“H”と編み込まれたセーターを着ていたことから、“H”というあだ名で呼ばれている少年である。Hこと肇は、体が小さく兵隊に取られずに済んだ父親と、信心深いクリスチャンの母親、そして妹との4人で平穏に暮らしていたが、周囲は徐々に戦時色が強くなり、思想統制や赤紙による招集の影がちらついてきた。もともと外国人が多く、どこの国の人とも分け隔てなく接してきた神戸も、徐々に雰囲気が変わりつつある。そんな時期であっても、少年Hの周囲には変わった大人達が一杯で、世界には新しい発見が満ちている。戦時中の日本、“銃後”の日常生活を、逞しく過ごす少年の物語。
格付:B

海辺の王国 原作:ロバート・ウェストール(青春アドベンチャー)

1942年、第2次世界大戦中のイギリスの海辺の町。ドイツ軍による空襲はひどくなる一方だ。その夜、12歳の少年ハリーは防空壕に逃げ込んでようやく難を逃れた。しかし、一夜明けて救出されたハリーの目の前で世界は一変していた。家が燃えている。両親や妹も助からなかっただろう。ショックを受けたハリーは、同じように焼け出された犬・ベンとともに大人たちの世界を離れ、海辺に沿って放浪の旅を始める。
格付:B

スーツケース・キッド~バイバイ わたしのおうち~ 原作:ジャクリーン・ウィルソン(青春アドベンチャー)

10歳の少女アンディーはマルベリーの木のある小さな家で両親と楽しく暮らしていた。しかしアンディの願いにも関わらず両親は離婚することになってしまい、しかも二人ともそれぞれ離婚後すぐに新しいパートナーとその子供達と暮らし始めてしまった。父親も母親もアンディーは自分が引き取ると言って譲らないが、アンディーの希望はあくまで両親と3人で、あのマルベリーの木のある家に住むこと。自らの希望を聞かれたアンディーが悩んだ末にだした結論は、母親が暮らす家と父親が暮らす家を1週間ごとに往復するというものだった。こうして、ふたつの家で、悩みながらも明るく生きるアンディの新しい生活が始まった。
格付:A

光 原作:道尾秀介(青春アドベンチャー)

小学4年生。全てが輝いて、何か意味のあるものに思えた頃。自然が残る少しだけ田舎の町。利一とその友人達が出会う、美しいこと、どきどきすること。それは不思議なものは何もない日常の出来事。でも忘れられない出来事。
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