格付:A

格付:A

手が冷たい 作:小松波瑠(FMシアター)

佐々木風子は道東・風蓮の漁師だ。この地で100年続いてきた伝統漁法・氷下待網漁(こおりしたまちあみりょう)を夫とふたりで続けてきた。しかし夫が他界した今、ひとりではとても続けることができない。そもそもこんな厳しい漁、どうして続けないといけないのだろう。娘が手をつないでくれないほど冷たい手になってまで。ああ、それにしても手が憎い。この冷たい手が憎い。
格付:A

神隠しの教室 原作:山本悦子(青春アドベンチャー)

バネッサに付き添われて加奈がやってきた保健室には誰もないなかった。保健室だけではない。職員室にも1年の教室にも。おかしい。1年の教室からは先ほどまで歌声が聞こえていたのに。誰もいない…?いや、いる。少しだけど。結局見つかったのは、5年2組の加奈とバネッサの他には3人だけ。バネッサの幼馴染の聖哉、4年生の亮太、そして1年生のみはる。なぜこの5人だったのか。自分たちではまったくわからない。そしてそのころ「元の世界」でも大きな騒ぎが起きていた。それはそうだ、4人もの小学生が急に消えたのだから。
格付:A

ブラックローズ 作:吉田小夏(青春アドベンチャー)

闇市はさまざまな人々を飲み込み、今日もけだるさと活気の不思議な混交に満ちていた。それはそのころの日本そのものといっていい。松島六郎は「カストリ雑誌」といわれる三文雑誌の記者として糊口を凌ぐ。しかし心は空虚なままだった。行方不明となった婚約者、南方で死んだ親友。空襲で生き別れるときに彼女に言われたことが、戦地に旅立った友に言われたことが、いまでも心から離れない。そのころ闇市に、あるうわさが広がった。ブラックローズ。彼は人々の影を求める。そして彼に会いたいと望んだ人間の前だけにあられるという。
格付:A

先生、ワンと鳴く 作:保坂萌(青春アドベンチャー)

蒼井侑芽は25歳。少年漫画誌の編集者。子供の頃大好きだった王道バトル漫画「トワイライトリベリオン」の作者、東雲まほろ(50歳)の担当になることができたものの、今の東雲はパンチラ漫画で食いつないでいる冴えない中年オヤジ。しかも筆が遅い。一度も原稿を落としたことがないのが奇跡なほど毎回毎回、締め切り直前までグダグダ、うだうだ。今回も締め切り突然に侑芽に電話をかけてきて言い放ったのだ。「俺はもう人間を卒業します。今までお世話になりましたぁ。」ちょっ!なにがあったんですか!?「俺はね、今すぐ犬に生まれ変わるんだよ。本気だよ、パンツをはかない生き物にね。」深夜までパンツパンツってなんなんだよ!
格付:A

マタギ列伝 原作:矢口高雄(青春アドベンチャー)

東北地方中央部を貫く奥羽山脈。その山襞深く分け入ったところ、古来よりイタズすなわち熊と技の限りを尽くし戦うマタギと呼ばれる狩りの一団がいる。これはマタギの中でも、その腕前から「野いちご落とし」と呼ばれた天才マタギ、三四郎の冒険と変転の記録である。
格付:A

記憶を食(は)む 原作:僕のマリ(青春アドベンチャー)

大好きだった業界に新卒で入ったもののノルマに追いまくられ無残にも退職。絶望しかない中で選んだ喫茶アジールでのアルバイトで私は救われた。アジールで得たのは自分に対する肯定感。でもそれだけでなく、自分の生涯の仕事が「書くこと」だということに気づくこともできた。今はアジールから巣立って、生涯の伴侶とともに駆け出しの物書きとして暮らしている。まだ体調は万全とは言えない。自分の気持ちがコントロールできないことも多い。でも今回依頼された「食にまつわるエッセイ」は良いものが書けそうな気がする。グルメレポートではない。編集者の人は「食べ物が呼び起こす記憶のようなもの」を書いてほしいと言ってくれたのだから。
格付:A

それは誠 原作:乗代雄介(FMシアター)

東京へ向かう修学旅行の班行動。高校生2年生の佐田誠の行きたい場所はうらわ美術館だった。でも行かない。亡くなった母と所縁のある美術館よりも行かなければならない場所があるのだ。もちろん同じ班のみなに迷惑はかけられないからひとりでいくつもりだ。でも班行動である以上、単独行動する時点で迷惑はかけざるを得ない。紛糾した話し合いだが、誠が事情の一端を話したことにより徐々にこの単独行動は皆の理解を得られ始めた。そして当日、途中から単独行動を始める誠。しかし旅は予想できなかった方向を向かい始めて…
格付:A

ナカスイ! -海なし県の水産高校- 原作:村崎なぎこ(青春アドベンチャー)

「全国で唯一」、いい響き。中学生の頃「普通を知りたければ鈴木さくらを見ろ」と言われたこの私でも、この栃木県立那珂川水産高校、通称「ナカスイ」でなら普通じゃない高校生になれる!でも授業が始まって早々、クラスメイトの魚に対する情熱と知識に圧倒された。ひょっとして私、ついていけていない?でも3人しかいない女子でつくった料理がすべてのきっかけになった。そう、あの日作った「ザリガニグラタンコロッケバーガー」が私の青春の始まりだったのだ。
格付:A

俺たちの行進曲 作:有明夏生(ふたりの部屋)

昭和29年、福井県福井市。戦災と震災の二重苦に苦しんだこの町もようやく復興の時を迎えつつあった。そんな町の姿を映したかのように地元の越前高校に通う音楽部(実態はブラス・バンド部)の3人の男子高校生も青春の時を迎えつつあった。まだ貧しい日本。しかも洒落た娯楽などない田舎町。でも若者はいつも希望とともに生きているのだ。
格付:A

リフレイン -私とおじいちゃんの捜査ノート- 作:佐藤友治(青春アドベンチャー)

両親を亡くしてから心の平衡が保てなくなってしまった夏希(なつき)。だけど、いつも一緒にいてくれるおじいちゃんに支えられてようやく保健室に登校できるようになった。でもみんなと同じ時間は無理だから、朝早く登校して養護教諭の京子先生が保健室のカギを明けてくれるのを待っている。京子先生は夏希イチ押しのアニメ「弦楽の戦士たち」の推し活仲間だ。だからこの時間は楽しい。でもこの時間に学校にいたからこそ犯人だと疑われることになってしまった。その日、体育教師の若山先生が外廊下から転落したときに学校にいた女性は私と京子先生、そして親友の栞(しおり)だけ。若山先生は意識を失う前に犯人は女性だと言ったらしい…
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