クラバート 原作:オトフリート・プロイスラー(青春アドベンチャー)
時は18世紀の始め。今のドイツとポーランドの間にある王国。14歳の少年・クラバートは、家々を訪ねて賛美歌を歌い、施しを受けることで生きのびてきた浮浪児だったが、ある日、声変わりで歌を歌えなくなってしまう。絶望し、仲間の元を離れたクラバートだったが、不思議な導きによって「水車場」(すいしゃば)を営む「親方」のもとに弟子として住み込むことになった。来る日も来る日も水車で麦を粉にする日々。労働は過酷だったが、とにもかくにも清潔な寝場所と十分な食事を得られたことにホッとしたクラバート。しかし、この水車場には不思議なことがあることに気が付く。なぜ渡された洋服は自分にぴったりだったのか。疲れ切った時に職人頭のトンダが唱えてくれたのは呪文?滅多に使わない特別な臼で挽いていたのは…骨…?そして、ある夜、親方に呼ばれたクラバートはこう告げられる。「お前がこの水車場に来て3か月が経った。改めて正式に契約を交わそう。今日から粉ひき以外のことも教える。ここは魔法の学校だ。お前に今日から魔術を教える…」