旅とグルメ

格付:A

遙かな旅 蝶の道 作:吉野万理子(特集オーディオドラマ)

「アサギマダラという“渡り”をする蝶を追うバイク旅をしたい。ついては2週間ほど休暇が欲しい。」 確かにこの申し出は唐突なものだったのかも。 でも、編集長が出してきた提案はもっと突飛だった。 「蝶を追うついでに、日本中の戦跡を巡る旅をしてそれを記事にしろ、仕事として行っていいから。」 聞くと、これは先日突然他界した編集部員、三嶋拓也が残した企画だという。 知っている。 編集部の人たちには黙っていたけど、私と三嶋さんは恋人同士だったのだから。 アサギマダラの話だって三嶋さんに聞いて知ったのだから。 知りたい。 生前、彼がどのような思いでこの旅に誘ってきたのかを。
格付:B

エアメール・スペシャル 作:富田康明(ふたりの部屋)

20歳にして世界的な写真コンクールのグランプリを受賞してから2年。 シンデレラに掛かっていた魔法は解けて、カメラも元のカボチャに戻ってしまった。 でもただのラッキーだった女の子で終わりたくはない。 だから彼に黙って海外へと旅だった。 あたし自身を見つめ直すために。
格付:B

トゥー・ラブ・アゲイン~若き文学者たち 作:森治美(ふたりの部屋)

岡山県にある竹久夢二の生家に向かう途中に出会った、「29歳のおじんに片足を突っ込んだ」男性と、自称「20歳の大学生」の女の子。 ふたりは成り行きで、文学者に縁のある土地を巡る「文学の旅」で中国地方を巡ることになったのだが…
格付:AA

飛ばせハイウェイ、飛ばせ人生 作:樋口ミユ(FMシアター)

さあ、もうひと仕事。 明日の朝までに木更津から吹田に行かなければならない。 夜の3時に走る車は自分のような荷物を積んだトラックくらいだ。 こんな夜には助手席に話し相手がいないとやっていられない。 おや、ヒッチハイクしようしとている人がいるぞ。 それも初老の男性だ。 行き先を書いたボードには… “LAまで”?! 変わったじいさんだが、乗せてみるか… 午前4時、空はまだ暗い。
格付:B

韓国・鉄道・グルメの旅 原作:辻真先(カフェテラスのふたり)

僕は何としても韓国に行きたい! 韓国に行ってセマウル号に乗るのが永年の憧れだったんだ。 なに?セマウル号が何かを知らないって? セマウル号といえば韓国の超特急だよ。 日本で言えば新幹線。 なに?鉄道についての書き下ろしを一冊と、グルメと温泉の本、さらにトラベルミステリーを1編書くなら、出版社が旅費を出してくれるって? 乗った! よーし、こうなったら韓国の鉄道を乗りまくるぞ!
格付:B

スペインから 原作:倉田美和子(ふたりの部屋)

大学のスペイン語科に入学して2度目の春休み。 私は友人のさっちゃんと共に2カ月間のスペイン短期留学へと旅だった。 まず1カ月間は語学学校で研修して、その後の1カ月はスペイン各地を回るつもりだ。 1年掛けて綿密に準備した計画。 でも旅はトラブルの連続だった。
格付:C

交響詩・うるんだ美女~四万十川をさかのぼる  作:川崎洋(FMシアター)

本作品は1987年にFMシアターで全1回(60分)放送された作品です。 制作したのは、NHKはNHKでも他にはあまり例を見ない地方局の松山局(「風になった男」の岡山局などの例はありますが)。 そのためか、通常、ラジオドラマが放送される「FMシアター」で放送されながら、本作品はかなり異色な作品になっています。一応、日下武史さん演じる主人公が四万十川をさかのぼる、という筋はあるものの、日下さん以外のプロの役者の出演者としては芦田容子さんがいる程度で、ドラマと言うより、随筆、紀行文、あるいはナレーターの独り言に近い内容です。
格付:AA

「日本の川を旅する」から カヌー野郎のロンリーツアー 原作:野田知佑(ふたりの部屋)

本作品「『日本の川を旅する』から カヌー野郎のロンリーツアー」は、日本のリバーカヤックツーリングのパイオニア・野田知佑さんの代表作「日本の川を旅する」をラジオドラマ風に構成した作品です。 野田さんは椎名誠さんやC・W・ニコルさんとも親しく、カヌーなどに関する著作も多い、その筋では有名な方なのだそうです。 なお、本作品も「ラジオドラマ風の構成」といっても、ノンフェクションである野田さんの原作本の雰囲気を生かし、過度な演出はしていません。 本作品は「脚色」のクレジットがなく、「くらうちひとし」さん(恐らく倉内均さん)が「構成」として紹介されているのですが、それが頷ける作品です。
格付:B

美味しんぼ探偵局 原作:雁屋哲(アドベンチャーロード)

警視庁捜査一課に配属されたばかりのキャリア警部補・水野よう子のもとに初めての担当案件が回ってきた。 事件は3人の男性の連続失踪事件。 この事件がただの失踪事件ではなく、事件の裏には大きな陰謀が存在することを感じとった捜査一課長は、新米のよう子には荷が重いと判断。 “情報提供者”の名目で、警察をドロップアウトしたアウトローの私立探偵・大東(おおひがし)を助っ人に付けることにした。 入庁に当たって事件捜査がハードボイルドな男の世界であることは十分に覚悟していたよう子だが、この失踪事件の捜査はよう子の予想を超えた過酷な展開を迎えることになる。
格付:A

ヤッさん 原作:原宏一(青春アドベンチャー)

上京してIT企業に就職したものの、あっという間にドロップアウトしてホームレスにまで落ちぶれてしまった青年・タカオ。 段ボールにくるまってわずかな暖を取っていた彼を、段ボールごと蹴りつけるオヤジがいた。 彼の名は“ヤッさん”。 ヤッさんは、築地市場や銀座界隈では知らぬものがいない伝説の食通ホームレスだが、身綺麗にして銀座の高級料理店を闊歩する様はとてもホームレスには見えない。 これは“ホームレス哲学”の体現者であるヤッさんと、彼に巻き込まれて思いも寄らない人生の変転を体験することになる青年・タカオの物語である。
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