少年(中高)

格付:A

バスタイム 作:中澤香織(FMシアター)

中学の頃、好きなものの話が長くてしつこいと言われた。 だからなんなん?ってイラっとされた。 そんな私だから高校に入学しても親しい友人はできなかった。 でも東京から来た転校生、深瀬さんは突然話しかけてきたのだ。 「森さんのお家って銭湯なの?かっこいいね!」 すぐに親友になった私達。 あたしの言うことに笑ってくれる人は初めてだった。 人に秘密を打ち明けられるのも初めてだった。 心地いい関係。 でも2年の夏に少し変化が生じたのだ。
格付:B

きつねのチャランケ 作:岡本螢(FMシアター)

飼い犬のチビが姿を消して落ち込んでいるのを見かねた母、洋子は、美佳に北海道に住む叔母マリコのもとに遊びに行くこと提案した。 マリコは、美佳が生まれる前に癌で他界した美佳の父の妹。 しかし会うのは初めてだ。 美佳はそこであるアイヌの昔話を聞き、周りのあたたかい人々との交流を通じて、言葉で意思を伝えあうことの大切さに気が付く。 美佳のある冬の1カ月の物語。
格付:AA

背中あわせのハート・ブレイク 原作:小林信彦(サウンド夢工房)

終戦から4年、カルチャーギャップに戸惑っている大人たちを尻目に、俺は文京区の高台にある高校でどっぷりアメリカに浸る青春を謳歌していた。 同級生の3分の2は東大を受験する学校で、俺は早々に東大受験を放棄。 将来は趣味に生きることを決めていた。 クラブ活動は映画研究会。 とりあえずの目標は校庭に部室をつくっちまうことだ。
格付:B

これは、私の落とし噺 作:本田誠人(FMシアター)

「母さん落語する。やってもいい?」 母が突然、落語家になりたいと言い出した。 若かりしあのころの夢にもう一度挑戦したいというのはわかる。 若いころオードリー・ヘップバーンに憧れていたのもわかる。 でも、なぜ落語? 恥ずかしい、絶対やめて欲しい…って言いたかったけど。 いつからだろう、相手の顔色を窺って感情を表に出さなくなったのは。 目立つな、騒ぐな、叩かれるな。 それが私の絶対条件、3箇条。
格付:B

ぼくらの七日間戦争 原作:宗田理(アドベンチャーロード)

7月20日、中学1年1学期の修了式の日。 クラスの男子全員21名が学校から帰ってこなかった。 親や教師が集団誘拐かと大騒ぎをする中、「午後7時からFM放送を行う。ダイアルを88MHzにあわせろ。」という不審な電話がかかってくる。 大人たちが慌ててラジオのダイアルをあわせると、アントニオ猪木の入場テーマ「炎のファイター」に合わせて放送が始まった。 「皆さん、こんばんは。ただいまより解放区放送をお届けします。センコーの説教も親父の小言もお袋の愚痴も今日は休みだぜ。テストも宿題もついでに塾も今日は休みだぜ。それからテレビも漫画もおやつもビタミン剤も今日は休みだぜ。休んで何をするかって?…」
格付:A

君を探す夏 作:桑原亮子(特集オーディオドラマ)

世間がコロナ禍に揺れる2020年の夏。 何もできなかった高校1年の一学期が終わった日の帰り際、久保麻里子は担任の先生から同級生・百瀬ゆいの教科書を持ち帰るように頼まれる。 一度口を聞いたことがあるだけで友達でも何でもないゆいに関わることに躊躇する麻里子だが、教科書を届けた際のゆいの家人の様子がどうにも気になり、家出したというゆいの行方を探しはじめることになった。 本当であれば合唱コンクールに向けて頑張っていたはずの夏休み。 こんなはずじゃなかった夏休みだが、こんなはずじゃなかったのは自分だけではないはず。 今自分にできること、したいことは、ゆいを探すことのはずだ。
格付:AA

レヴォリューションNo.3 原作:金城一紀(青春アドベンチャー)

高校1年の生物の授業だった。 ドクター・モローこと、生物教師の米倉が放った一言が僕たちの脳天を直撃した。「君たち世界を変えてみたくはないか」 「世界」を「変える」? 一体なにを言っているんだ? それは変えたいさ。 でも誰もが認めるオチコボレ男子校、地域住民は脳みその腐った死に損ないという意味で「ゾンビ」と呼ぶわれわれがどうすれば世界を変えられるというんだ。 言っておくが僕たちは頭が悪いから、ちゃんと説明してもらわないとわからないぞ。 「要は勉強のできる遺伝子を獲得すればいいんだよ」 それってつまり…早い話がナンパか! よし、都内屈指のお嬢様学校・聖和女学院の学園祭に潜入だ。
格付:A

砂浜クラブ 作:國吉咲貴(FMシアター)

私は高校デビューに失敗した。 今度こそは上手くやろうと思っていたのに、たった2日。 もう吹部にはいけない。 友だちだと思っていた二人の言葉を聞いて、教室に入ることもできなくなった。 行くところがなくて辿り着いた学校裏の海岸。 そこにいたのはクラスメイトの三山だった。 やばい、あんな奴といっしょにいるとますますハブられる。 でも…
格付:B

踏切の向こう側 作:坂下泰義(FMシアター)

朝の5時から1時間ごとに交代しつつ夜の12時まで。 踏切前での交通量調査のバイトは、意外と疲れるけど、単調といえば単調、退屈と言えば退屈なバイトだ。 しかし、夕方、通りかかった女子高生に声をかけられたことにより状況は一変してしまった。 「最終電車に飛び込むつもりなんです。迷惑かけたらいけないので予め言っておきますけど。」…ってオイ。 勘弁してくれよ。
格付:A

盟友 原作:村田喜代子(アドベンチャーロード)

「喫煙常習犯」と「スカートめくり犯」に課せられた懲罰は、お決まりの便所掃除。 くすんだ高校生活が一層くすんでしまった。 でもピカピカになった便器は予想以上に美しく清々しい。 そう、やっている内に気が付いてしまったのだ「便所の哲学」に。 そうだ、どうせなら起こしてみよう、学校に「便所革命」を。
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