少年(中高)

格付:A

ナカスイ! -海なし県の水産高校- 原作:村崎なぎこ(青春アドベンチャー)

「全国で唯一」、いい響き。中学生の頃「普通を知りたければ鈴木さくらを見ろ」と言われたこの私でも、この栃木県立那珂川水産高校、通称「ナカスイ」でなら普通じゃない高校生になれる!でも授業が始まって早々、クラスメイトの魚に対する情熱と知識に圧倒された。ひょっとして私、ついていけていない?でも3人しかいない女子でつくった料理がすべてのきっかけになった。そう、あの日作った「ザリガニグラタンコロッケバーガー」が私の青春の始まりだったのだ。
格付:A

俺たちの行進曲 作:有明夏生(ふたりの部屋)

昭和29年、福井県福井市。戦災と震災の二重苦に苦しんだこの町もようやく復興の時を迎えつつあった。そんな町の姿を映したかのように地元の越前高校に通う音楽部(実態はブラス・バンド部)の3人の男子高校生も青春の時を迎えつつあった。まだ貧しい日本。しかも洒落た娯楽などない田舎町。でも若者はいつも希望とともに生きているのだ。
格付:A

i²-アイノジジョウ 作:さわだみきお(FMシアター)

中学まではよかった。数学で躓きが始まったのは、あの虚数という得体のしれない数が登場してからだ。だけどわが家は経済的に国公立しか選択肢がない。だから数学を捨てるという選択肢もない。仕方なく塾の先生に相談したところ「高校数学 よくわかる虚数 躓き問題の傾向と対策そして攻略四十八手」というマニアックな参考書を推薦されたが、マニアックすぎて図書館や本屋に滅多においていない。ようやく本屋で見つけたものの1冊しかないためおじさんと奪い合いになってしまった。数学の参考書を読むなんて変なおじさんだと思ったけど…?…おじさんの胸元と袖口から見えるのは…入れ墨!?
格付:A

アンモナイト!!! 作:足立聡(FMシアター)

「ちょっと待ってください!」一言だけ残して走り去った男が駆け戻ってきた。「これ、友郎さんに差し上げます。」自称、気遣いができて、謝るということもできるという学芸員さんだが僕の気持ちを推しはかることはできないようだ。でも。「これはゴニアタイトというアンモナイトの化石です。さあ手に取ってください。よく見てください。このアンモナイトが3億年前に生きていたのです!」でも、手に取った時、今にも動き出しそうな気がしたのだ。見たことのない3億年前の世界がとんでもなく広がっていくような気がしたのだ。
高格付作品一覧

当ブログの高格付け作品(番組:青春アドベンチャー系、ジャンル:日常系と多ジャンル)

当ブログで高格付けを付けた作品のうち、放送された番組が青春アドベンチャー等の帯番組で、作品ジャンルが「日常系」の作品(スポーツ、恋愛、職業、コメディ、スラップスティック、コント、少年、旅とグルメ、家族、日常)の一覧です。あくまでブログ主個人の感想にすぎないことはご了解ください。
格付:A

バスタイム 作:中澤香織(FMシアター)

中学の頃、好きなものの話が長くてしつこいと言われた。だからなんなん?ってイラっとされた。そんな私だから高校に入学しても親しい友人はできなかった。でも東京から来た転校生、深瀬さんは突然話しかけてきたのだ。「森さんのお家って銭湯なの?かっこいいね!」すぐに親友になった私達。あたしの言うことに笑ってくれる人は初めてだった。人に秘密を打ち明けられるのも初めてだった。心地いい関係。でも2年の夏に少し変化が生じたのだ。
格付:B

きつねのチャランケ 作:岡本螢(FMシアター)

飼い犬のチビが姿を消して落ち込んでいるのを見かねた母、洋子は、美佳に北海道に住む叔母マリコのもとに遊びに行くこと提案した。マリコは、美佳が生まれる前に癌で他界した美佳の父の妹。しかし会うのは初めてだ。美佳はそこであるアイヌの昔話を聞き、周りのあたたかい人々との交流を通じて、言葉で意思を伝えあうことの大切さに気が付く。美佳のある冬の1カ月の物語。
格付:AA

背中あわせのハート・ブレイク 原作:小林信彦(サウンド夢工房)

終戦から4年、カルチャーギャップに戸惑っている大人たちを尻目に、俺は文京区の高台にある高校でどっぷりアメリカに浸る青春を謳歌していた。同級生の3分の2は東大を受験する学校で、俺は早々に東大受験を放棄。将来は趣味に生きることを決めていた。クラブ活動は映画研究会。とりあえずの目標は校庭に部室をつくっちまうことだ。
格付:B

これは、私の落とし噺 作:本田誠人(FMシアター)

「母さん落語する。やってもいい?」母が突然、落語家になりたいと言い出した。若かりしあのころの夢にもう一度挑戦したいというのはわかる。若いころオードリー・ヘップバーンに憧れていたのもわかる。でも、なぜ落語?恥ずかしい、絶対やめて欲しい…って言いたかったけど。いつからだろう、相手の顔色を窺って感情を表に出さなくなったのは。目立つな、騒ぐな、叩かれるな。それが私の絶対条件、3箇条。
格付:B

ぼくらの七日間戦争 原作:宗田理(アドベンチャーロード)

7月20日、中学1年1学期の修了式の日。クラスの男子全員21名が学校から帰ってこなかった。親や教師が集団誘拐かと大騒ぎをする中、「午後7時からFM放送を行う。ダイアルを88MHzにあわせろ。」という不審な電話がかかってくる。大人たちが慌ててラジオのダイアルをあわせると、アントニオ猪木の入場テーマ「炎のファイター」に合わせて放送が始まった。「皆さん、こんばんは。ただいまより解放区放送をお届けします。センコーの説教も親父の小言もお袋の愚痴も今日は休みだぜ。テストも宿題もついでに塾も今日は休みだぜ。それからテレビも漫画もおやつもビタミン剤も今日は休みだぜ。休んで何をするかって?…」
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