2016-08

格付:A

夢巻 原作:田丸雅智(青春アドベンチャー)

長年の親友・村上に指定されたバーにやってきた堀川。最近、管理職になったばかりで何かと多忙の堀川を村上が気遣って、とっておきの店を紹介してくれたのだ。しかし店に一歩、足を踏み入れた堀川は目の前の光景に驚いてしまった。よだれ、鼻水、涙…村上が穴という穴から液体を出しながら、至福の表情で、葉巻の様なものを吸っていたからだ。村上は煙草すらやらなかったはずだ。一体どうしたのだ。狼狽する堀川に対して、村上が説明を始める。彼が吸っているのは葉巻ではなく「夢巻」であること。そして、「夢巻」は、特殊な処置をした紙で燃やして吸うことにより、その紙に込められた思いを追体験できるものであるということを。
格付:B

夢の10分間 原作:豊田有恒(ふたりの部屋)

SF作家・豊田有恒さんの同名のショートショート集「夢の10分間」の中から10編をドラマ化した作品です。本作品を放送した「ふたりの部屋」は、本作放送当時、月曜日から金曜日のそれぞれ10分ずつ放送される帯番組でした。そのため、この「夢の10分間」というタイトルを見ると、あたかもこの番組のために書き下ろされたオリジナル作品のようですが、別途、原作本があるようですので、「10分間」が一致しているのは偶然のようです。
格付:AA

夢にも思わない 原作:宮部みゆき(青春アドベンチャー)

毎年、近所の白河庭園で開かれる「虫聞き(むしきき)の会」。その会場で同級生の工藤久美子が殺された。しかも、死体の身元を確認したのは、この僕、緒方雅男だ。偶然ではない。工藤さんが家族で虫聞きの会に行くのは本人から聞いていた。淡い思いを胸に、会場で工藤さんに会えることを期待して行ってみたのだ。それがまさか死体に対面することになるとは。しかも死んだ工藤さんは、濃い化粧に、派手なスカート、高いヒールの靴。いつも学校で見るのとは全く違う格好をしていた。一体、何が起こっているのか。僕はクールな親友の島崎とともに謎を追い始めるのだが。
ラジオドラマ全般の情報

8月21日にNHK-FMにて「迷宮 画のないアニメ館」放送予定

8月21日にNHK-FMにて「迷宮 画のないアニメ館」なる特集番組の放送が予定されているようです。(外部リンク)オーディオドラマではない?一種のラジオドラマ番組のようですが、セリフの一部に空白部分のある第1話の脚本を事前に公開し、その空白部...
格付:A

今夜は眠れない 原作:宮部みゆき(青春アドベンチャー)

母さんが突然、5億円の相続人になった。20年前にたった一度、命を助けた人物、20年間存在すら忘れていた男から遺産を譲られたのだという。そして騒動が始まった。どこで聞きつけたのかわからない様々な人からの寄付を求める電話が鳴りやまない。外の女と不倫をしていた父さんは、自分のことを棚に上げて母さんにその男との関係を詰問し始めた。もう家族はバラバラだ。そして僕たちの周りに現れる不審な人物。そんな中、ついに事件は起こったのだった。
格付:AAA

オリガ・モリソヴナの反語法 原作:米原万里(青春アドベンチャー)

オリガ・モルソヴナとの出会いは、1960年代のチェコの首都プラハにあったソビエト学校でのこと。私、弘世志摩(ひろせ・しま)はこの学校に通う小学生だった。オリガは、老齢ながらダンス教師として卓越した技術を持つと評判だった。しかしそれ以上に彼女を有名にしていたのは、ただでさえ罵り言葉の宝庫と言われるロシア語を駆使し、罵詈雑言を浴びせかける天才だったこと。その最も特徴的な表現方法は反語法。彼女にかかると「美の極致!」という言葉さえも、圧倒的な皮肉へと変わるのだ。しかし、オリガの過去に何か謎のようなものが見え隠れすることは小学生であった私にも分かった。そして1992年。大人になった私はモスクワへと飛ぶ。永年の疑問だったオリガの過去を知るために。そこで待っていたのは、悲劇の現代史を生きた3人の女性の物語だった。
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