折紙宇宙船の伝説 原作:矢野徹(ふたりの部屋)
太平洋戦争のさなか陸軍から派遣されて訪れた山奥の山村。そこは日本の他のどこでも聞いたことがない不思議な昔話があふれる村だった。不思議なのは昔話だけではない。少女の心のまま体の発達も止めた女性。いつまでも飛び続ける紙飛行機。数年に一度、村に現れる死者の国。からくりのコウノトリで空に飛び立つカラクリ師…遠い昔、あの山の奥に、どこか遠い星の宇宙船か墜落したのではないか。そんなことを想像させられる。そこは、この世の現実の姿とかけ離れているかのような山里だった。