六人の嘘つきな大学生 原作:浅倉秋成(青春アドベンチャー)
僕たちは理想のチームになれた…はずだった。今を時めくIT企業スピラリンクスの最終選考。僕たち6人の就活生に課せられたのはグループディスカッションだった。幸い選考日までには時間がある。しかもこれは落とすための選考ではない。お互いを理解し、短所を補い、長所を生かしあう。良いディスカッションをして会社をうならせて全員内定。5,000人から選ばれたこの精鋭6名ならそれができるはずだ。その確信はスピラの方針変更で採用が1名のみとなり、グループディスカッションがその1名をお互いで選ぶ場となってしまっても変わらなかった。フェアな議論で全員が納得できる1名を選び出す。そのためのルールも合意することができた。こんな状況でさえ僕たちは協力し合うことができる。僕たちは理想のチームになれたはずだったのだ…