2022-02-13

格付:A

かがみ池のからくり 作:松村武(青春アドベンチャー)

30目前の売れない歴史ライター・能垣拓郎(のうがきたくろう)と、サブカル好きの女子大生・鳥留つむぎ(とりとめ・つむぎ)が向かったのは「かがみ池」。拓郎には微妙なパワースポットにしか見えないが、つむぎがいうには「知る人は知る聖地」らしい。かがみ池の水面をのぞき込むと、何者かの呪いによって陰で操られている人はその陰の主が水面に映る。さらに、その水面に何も映らない場合は…とのことなのだが。もちろん拓郎はこの与太話を信じてここまで来たわけではない。旅雑誌の取材で訪れた祭りで出会った鳥留つむぎという可愛い女の子との距離を縮めたかっただけなのだ。しかし、彼らはそこで歴史ライターでもサブカル好きでも予想もできないような出来事に巻き込まれることになる。物語の始まりは平成バブルがはじけて間もないころ。パフィーの「サーキットの娘」が流行っていた1990年代後半のことである。
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