河童の記憶 作:東憲司(青春アドベンチャー)
倉野香苗が河童に出会ったのは小学6年の夏休み。父の故郷である山間の小さな田舎町に引っ越してきてすぐのことだ。河童の名前はサーチャ。サーチャは正確には河童ではなく、人間の子供の魂を基に作られた「河童もどき」。サーチャがいうには、河童世界の奴隷である「河童もどき」は河童の中では最下層の存在だが、位の高い河童ともなると時を遡る神通力が使えるらしい。実は香苗はある理由から昔から河童に会いたいと思ってきた。河童の力で過去を遡り、香苗のために鉄道事故で帰らぬ人となった父を救いに行きたいと思い続けてきたのだ。