2023-10

格付:A

時の旅人 作:佐藤ひろみ(FMシアター)

10月、秋の初め。 大学を中退した真生(まお)は、今、四国、徳島の道をバイクで走っている。 走って走って走りつくしたら何かが見えるかもしれない。 そんな思いを胸に一人走り続ける彼が徳島の田舎町で、ある老人に出会う。 売れるかもわからない野菜を暢気に売っている老人をうさん臭く見ていた真生だが、飄々としていた老人が彼に言い放った一言に心臓がドクンと鳴った。 「お前、後ろにだれか背負うているな」
格付:A

あたふたオペラ からふる物語 作:萩田頌豊与(青春アドベンチャー)

月曜日から金曜日、毎日放送されるラジオ番組「おとなのためのトークショー・じゃこもかしこも」の今週のゲストは、劇団「盗んだだるま」を主催する劇作家で演出家の唐富士夫(から・ふじお)。 司会の久子と唐との会話は全く嚙み合わないが、唐の特技「25文字で名著」や、唐の学生時代の恋愛話でなんとか番組は進行していく。 しかし、4日目にして番組は緊急事態を迎えてしまう。 そして唐の恋愛話に登場した人たちが次々とスタジオに現れて…
格付:AA

肥後の石工 原作:今西祐行(アドベンチャーロード)

天保10年(1839年)秋深く。 石工頭、岩永三五郎は薩摩藩に依頼された石橋を無事に完成させ、故郷・肥後への帰途にあった。 しかし、事件は工事が終わってから始まった。 ひたひたと追跡してくる怪しい影。 自分は命を狙われているのか。心当たりは…ある。 完成させた橋には中央の石をひとつ取り外すだけで簡単に崩壊させることができる特殊な仕掛けを施してある。当然、戦になった場合を想定してのものだ。 追っ手を差し向けたのは秘密を守りたい薩摩藩か。 死にたくない。 しかし道を外れ山を越えて一安心したのもつかの間、追跡してきた侍は大胆にも直接、宿の部屋に三五郎を訪ねてきた。 覚悟を決めるしかないのか。
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