
ゲノム・ハザード 原作:司城志朗(青春アドベンチャー)
それは、イラストレーター鳥山敏治にとっては誕生日の夜の出来事だった。残業で退社が遅くなり、妻の機嫌を損ねていないか恐る恐る帰宅した彼を待っていたのは床で冷たくなった妻の死体。突然現れた刑事と名乗る不審な二人組から逃れることになった鳥山は、夜の街をあてどなく彷徨うことになる。そして、妻の実家、友人宅、昔のバイト先、再び自宅などを尋ねるにつれ、鳥山は自分の記憶と、周囲が語る自分の姿とがかけ離れていることに気がつき始める。何より自分の記憶自体が少しずつ変化を始めているようなのだ。自分は誰なのか、どこに住んでいて、何をしてきた人間なのか。すべてが信じられなくなる中で、“鳥山”はどのような真実に辿り着くのか。