鷲の歌 原作:海音寺潮五郎(青春アドベンチャー)
江戸時代も末期を迎えつつある安政4年。
琉球国は糸満の漁師・赤人(あかひと)は、難破し流れ着いた土佐から江戸を経て、4年ぶりに故郷の土を踏んだ。
4年の歳月の中で、赤人には忘れられない言葉がある。
漁師出身でありながら米国から帰国して旗本に取り立てられたジョン万次郎の言葉。
「米国では能力次第でこのような出世は当たり前のこと。日本も変わりつつある。そして琉球も変わっていくはずだ。」
果たして、万次郎の予言のとおり、清国と薩摩藩による二重支配のなかで微睡んできた琉球にも変化が起きつつあった。
その変化は、糸満の漁師に過ぎなかった赤人をも巻き込んいくのであった。