海賊モア船長の遍歴 原作:多島斗志之(青春アドベンチャー)
大航海時代のインド洋。
そこは、イギリスとオランダ、そして東インド会社とムガール帝国の貿易船・軍船が縦横に行き交う、一大フロンティアだった。
イギリス人ジェームズ・モアは、東インド会社の貿易船で航海士を務める優秀な水夫だったが、海賊との内通を疑われて船を追われ、ようやく帰った母国では妻を亡くし、失意のどん底にあった。
そんなモアを再び海に誘ったのは昔なじみの水夫“大樽”。
彼の乗り組む海賊討伐船「アドヴェンチャー・ギャレー」へ水夫として乗り込むことにしたのだ。
しかし、一大決心をして乗り込んだ「アドヴェンチャー・ギャレー」は、何と最初の獲物すら捕らえないうちに海賊船への転身を余儀なくされてしまう。
海賊との内通を疑われて転落した人生。
再起をかけて乗った船で、本当の海賊になってしまうという皮肉。
モアは自分の人生に戸惑いつつも、仲間たちと共に生き残るために必死の行動を始める。
これは300年前のインド洋で数奇な運命をたどった一人の水夫の物語である。