死にたがりの君に贈る物語 原作:綾崎隼(青春アドベンチャー)
人気作家・ミマサカリオリが死んだ。正確には、そうSNSで発表された。詳細は不明だ。出版社も沈黙している。確かなことは、最新刊が大炎上した代表作「Swallowtail Waltz」(スワロウテイル・ワルツ)シリーズは最終巻を残して未完となったということだけだ。ミマサカリオリの小説は、生き辛い人々に希望の光を与えたとも、とも称される。僕にとっては完全に前者だ。だからこの企画に参加することにした。いや参加せざるを得ない。「Swallowtail Waltz」の舞台になった廃校で作品と同様に共同生活をする。確かにこんなことをしても作品の結末に近づける保証はない。でも「Swallowtail Waltz」の続きが読めない世界で、この企画に参加するほかに何を希望に生きていけばいいんだ。