神去なあなあ日常 原作:三浦しをん(青春アドベンチャー)

格付:B
  • 作品 : 神去なあなあ日常
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : B+
  • 分類 : 職業
  • 初出 : 2010年9月20日~10月1日
  • 回数 : 全10回(各回15分)
  • 原作 : 三浦しをん
  • 脚色 : 棚瀬美幸
  • 演出 : 佐々木正之
  • 主演 : 中村蒼

横浜に住む平野勇気は、高校卒業を間近に控えているが特にやりたいこともなく、卒業後の進路も未定の状態。
そんな勇気を見かねた担任は、彼を三重県の山奥の神去(かむさり)村の林業会社に強引に送り込んでしまう。
横浜とはあまりに違う生活環境、きつい山仕事。
脱走しようにもあまりに山奥過ぎてその手段すらない。
嫌々、山仕事を続ける勇気だが、周囲の皆の山仕事に対する熱意を感じ、神去村の「なあなあ」な生活に慣れ、村の美人と少しだけお近づきになるにつれ、少しずつ村の暮らしに馴染んでいく…



無気力な若者が徐々に自分の居場所を見つけていく成長物語です。
タッチは緩いですが、事件あり、恋ありで、王道の青春物語といえると思います。

日本の林業の実態?

ただし、私は林業の実態はまったく知りませんし、原作者の三浦しをんさんが綿密な取材のうえに書かれているのは感じるのですが、日経ビジネスオンラインの記事(外部リンク)などを読んでいると、正直言って、本作でやっているような林業をしているから日本の林業は衰退していくのではないか、という思いも浮かんできました。
しかし、本作のテーマは林業経営ではなく若者の成長なのであまり気にせず聞くことにしました。

中村蒼さん主演

主役の勇気役は中村蒼さん。
無気力な若者を見事に演じており、見事すぎて、聞いていて「そもそも勇気って流されているだけだよなあ」とか、「結局、女ですか」とか考えてしまうほどでした。
しかし、終盤の祭りのシーンで物語は一気に盛り上がります。

本当の仲間へ

危険と隣り合わせの大祭の中で、先輩のヨキや親方の清一さんなどの村の人たちと名実ともに仲間になっていく勇気。
迫力ある大祭のシーンはこの作品の一番の聞き所で、この通過儀礼を経た勇気であれば成長したのも当然かと思わせる名シーンでした。
そう思ったのはヒロインの直紀先生を演じた今井りかさんの演技が好印象なのも大きかったと思います。
結局、お前も女か?
すみません、実は私、女性の方言に弱いんです…

田口トモロヲさんご出演

その他、清一さん役の田口トモロヲさん、ヨキ役の松田悟志さんの声も印象深いです。
田口さんといえばご存知、NHKのプロジェクトXのナレーション。
田口さんの淡々とした台詞が人格の安定した清一さんにあっており、適役だと感じました。



※2014/2/25 追記
「神去なあなあ日常」が「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」として映画化されるそうです。
公開は5月10日、キャストは染谷将太さん、長澤まさみさん、伊藤英明さんなど有名どころが揃っているようです。

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