極楽プリズン 作:木下半太(FMシアター)
3カ月前、僕の彼女が殺された。彼女の名は明日香。売れないイラストレーター。そして彼女を殺した犯人は…僕、ということにされた。つまり冤罪で投獄されたのだ。絶望と焦燥で一杯の僕だったが、しかし待っていたのは極楽のような刑務所だった。囚人が見ているのはお笑い芸人が出るバラエティ番組、飲んでいるのはビール。それどころかスポーツジム、プール、ヨガスタジオ。今日の夕食はアグー豚のしゃぶしゃぶ?ありえない。しかしありえないのはそれだけではなかった。この刑務所は脱獄すら自由なのだ。でも一番あり得なかったのは、脱獄したら明日香が生きていたことだ!