2021-05

格付:A

君を探す夏 作:桑原亮子(特集オーディオドラマ)

世間がコロナ禍に揺れる2020年の夏。何もできなかった高校1年の一学期が終わった日の帰り際、久保麻里子は担任の先生から同級生・百瀬ゆいの教科書を持ち帰るように頼まれる。一度口を聞いたことがあるだけで友達でも何でもないゆいに関わることに躊躇する麻里子だが、教科書を届けた際のゆいの家人の様子がどうにも気になり、家出したというゆいの行方を探しはじめることになった。本当であれば合唱コンクールに向けて頑張っていたはずの夏休み。こんなはずじゃなかった夏休みだが、こんなはずじゃなかったのは自分だけではないはず。今自分にできること、したいことは、ゆいを探すことのはずだ。
格付:B

ヨコハマ・ジャスミンホテル 作:吉田小夏(青春アドベンチャー)

関東大震災から3年後の横浜。客と揉めて洋食屋を追い出された清水桂吉(けいきち)が転がり込んだのは、本牧にあるジャスミンホテルというチャブ屋、すなわち外国人相手の娼館だった。コックの見習いとして働く桂吉だが、トラブルに巻き込まれながらも横浜に拘る桂吉には横浜でないといけない理由があった。それは人探し。サファイアの指輪を持つ女とルビーのついた懐中時計を持つ男を探すために桂吉は横浜に来たのだ。異人ではないけど青い瞳を持つふたりを。
格付:A

嘘か真か 作:井上悠介・池谷雅夫(青春アドベンチャー)

高校1年になって早3カ月。現実世界で楽しく生きることは諦めた。だって俺たちはモブなんだから。モブだよモブ。つまり名無しの群衆、脇役にも満たないキャラクター。だから俺は現実の世界で頑張ることを放棄しSNSの世界をエンジョイすることに決めた。俺の投稿した嘘に一喜一憂するフォロワーたち。このネット時代、嘘を嘘と見抜けない方が悪い。だいたい「大通りの某老舗タピオカ屋で、タピオカミルクティのミルクティ抜きのタピオカ増し増しラージサイズを注文すると裏メニューでモーニングスターが貰える」なんてデタラメ、信じる方がどうかしている。こんなことが現実に起こるはずないじゃないか、嘘なんだから。
格付:C

嘘じゃないんだ 原作:ドナルド・E・ウェストレイク(青春アドベンチャー)

サラ・ジョスリンはゴシップ新聞「ウィークリーギャラクシー」の新米記者。7月15日土曜日、初出勤の朝にハイウェイで車を走らせていると道路わきに停車している車の中で死体を見つけてしまった。普通だと驚き動転するシチュエーションだがサラは違う。出勤初日に幸先よく記事のネタを掴んだと前向きに捉え、一旦出社後、早速、この事件の取材を始めるが、なぜかこの事件を警察に伝えるように頼んでいた駐車場の警備員は姿を消し、この事故自体はないものとされていた。
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