- 作品 : イジメの彼方
- 番組 : FMシアター
- 格付 : A+
- 分類 : 日常
- 初出 : 2013年10月12日
- 回数 : 全1回(50分)
- 作 : 櫻井智也
- 演出 : 佐々木正之
- 主演 : マギー
小学校6年生の息子が学校でいじめを受けたと聞いて広太は決めた。
やはり自分が学校に行って担任の教師に直談判するしかない。
一晩、妻と二人で話しあったが妻はどうしたらよいかわからないという。
そして、息子は親に介入して欲しくないようだ。
しかし、高校生の頃にイジメの被害者だった自分なら息子の気持ちを代弁できると思うのだ。
本作品「イジメの彼方」は2013年にNHK-FMのFMシアターで放送されたオーディオドラマです。
題材としているのはタイトルのとおり「イジメ」ですが、事件の発端となったいじめ事件に関しては加害者も被害者も一切作品には登場しません。
登場するのは保護者である父親に加え、担任・副担任のふたりの先生。
全編がほぼこの3人の会話で構成される作品です。
主演は俳優のマギーさん
主人公である「父親」高橋広太を演じるは俳優のマギーさん(モデルのマギーさんででもマジシャンのマギー司郎さんでもありません)。
NHK-FMでは青春アドベンチャー「プリンセス・トヨトミ」や「ロズウェルなんか知らない」でのちょっとコミカルな演技が印象的ですが、本作品でもどこかコミカルな演技。
そう「イジメ」がテーマとなるとひたすら深刻で内向的なストーリーになりがちですが、本作品ではマギーさんの雰囲気もあり、そうはなっていないのです。
今井朋彦さんの演技が
どこかコミカルという意味では今井朋彦さん演じる担任・山本健一も同様。
今井さんご自身はもちろん目いっぱいシリアスな演技もできる方なのですが、改めて考えてみると「白狐魔記」の仙人もどこかユーモラスでしたね。
本作品は山本先生がちょっとずれた性格で設定されており(彼自身心に傷を抱えて生きてきたと言っているけど、再会のシーンを聞いているとやっぱり基本的に無神経な人間にしか思えない)、今井さんがこれにあわせて大げさ目に演技していることもありやはり軽妙なノリであることは否めない。
朝倉あきさんの演技も
そして副担任の東陽子を演じる朝倉あきさんもまた、熱血の演技が素晴らしい一方、やはりどこかほんわかしたイメージが漂う声の方。
本作ではちょっとしたコメディシーンの担当だったりもしてこれも全体のイメージを明るい方向に向かわせてる原因となっています(じつはちゃっかり終盤を締める役でもありますが)。
そうは言いつつ…
でも本作品、やっぱりいじめ問題を扱った作品なのです。
イジメられた側の傷は一生消えることはないし、気持ちの良い解決などあるわけないということは妥協なく描いています。
ストーリーは明るい雰囲気の中終わるのですが、本当に最後まで平気で「お前」呼びする「加害者」の無神経さがとても嫌な感じなのが素晴らしいです。
ホント「そういうとこなんだよな」
以上です
実は本作品ほとんど全編が1場面だけで進行する作品なので、これ以上の説明は難しいです。
正直、あとは聞いて頂くしかないかと。
逆に言うと一場面だけで50分もたせているわけで、その意味では出色の作品です。
ただ(個人的な感想ですが)途中で明らかになる、ある真実については、中盤を聞きながらなんとなく「そうなんじゃないかな」と薄々感じてしまい、それほど意外には感じませんでした。
もうちょっとうまく騙してくれると嬉しかったかな、とは思いました。
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