ホラー

格付:AA

異人たちとの夏 原作:山田太一(FMシアター)

昭和62年の夏始めに離婚した私は、自宅を妻に渡し、仕事部屋として使っていたマンションで生活を始めた。 生活に不便はないが、都心部に位置するこのマンションはほとんどが事務所として利用されており、離婚直後の自分には夜が静かすぎる。 そんな夜に、突然部屋を訪ねて来た同じマンションに住む年若い女性と関係を持ってしまうことはごく自然な成り行きだろう。 そして、久しぶりに訪れた故郷・浅草で出会った、死んだ両親そっくりの夫婦と交流を持つことも、何らとがめ立てを受けるいわれはないことのハズだ。 しかし、私は、この、すでにこの世にいないはずの「異人」と交流を始めた頃から、日々やつれていくようになったらしいのだ…
格付:B

ドールズ~闇から来た少女 原作;高橋克彦(アドベンチャーロード)

盛岡市で喫茶店「ドールズ」を経営する結城恒一郎は、小学生の娘・怜(れい)が交通事故にあったと聞き、慌てて病院に駆け付けた。 幸いにも、怜は骨折だけで命に別条はなかったが、どことなく様子がおかしい。 言葉を一切話さないし、食べ物の好みも急に変わったようだ。 詳しく検査したところ、心臓の肥大、重度の動脈硬化といった老人化とも思える症状もあることがわかってきた。 更に調べると、怜の様子がおかしくなったのは実は事故よりも前、仙台に在住する人形作家・小夜島香雪(さよじま・かゆき)を訪問してからだったことがわかってくる。 一体、怜の身に何が起きているのであろうか。
格付:B

ブラックホール 作:宮崎由香・綾瀬麦彦(青春アドベンチャー)

本作品「ブラックホール」は1992年7月にNHK-FMにて「特集のダミーヘッドの青春アドベンチャー」として放送されたラジオドラマ作品です。 青春アドベンチャーはこの年の4月にスタートしたばかりの番組であり、本作品は作品順で7番目、青春アドベンチャーでは最初期の作品と言えます。
格付:A

吸血鬼ドラキュラ 原作:ブラム・ストーカー(青春アドベンチャー)

19世紀末。 イギリス人の青年ジョナサン・ハーカーは、ロンドンの不動産を取得しようとしているドラキュラ伯爵なる人物に会うために、彼の領地のあるヨーロッパの辺境トランシルヴァニアへと赴く。 しかし、彼の城で出会ったドラキュラ伯爵は夜しか出歩かない不気味な人物であり、仲介を依頼された10つの物件はすべて墓地に隣接するいわくつきの物件だった。 そしてドラキュラ伯爵は、恐れおののくハーカーを城に監禁し、単身、ロンドンへと渡ってしまう。 ドラキュラ伯爵の目的は一体…
格付:AA

アクアリウムの夜 原作:稲生平太郎(青春アドベンチャー)

1年前のあの日、僕、ギーこと広田義夫は、まだ普通の高校2年生だった。 思えば引き返すチャンスは何度もあった。 4月のあの日、親友の高橋と花見にさえ行かなければ… 花見の後、“カメラ・オブ・スキュラ”なる怪しげな見世物小屋に入らなければ… そこに映し出された奇妙な階段を探しに水族館に行かなければ… そして、あの日、幼なじみの涼子があんな話を始めなければ… 今は後悔ばかりだ。 しかし、もう取り戻せない…
格付:B

押入れのちよ 原作:荻原浩(青春アドベンチャー)

後の直木賞作家・荻原浩さんの短編集「押入れのちよ」(全9編)から5編を取り上げてラジオドラマ化した作品です。 各1回(15分)ずつ全5回で放送されました。 荻原さんは本作品と同じ2007年に、もう1作、「僕たちの戦争」が青春アドベンチャーで原作として取り上げられているほか、10年インターバルを開けて2017年に「金魚姫」が採用されています。
格付:B

闇の中の子供 原作:小松左京(FMアドベンチャー)

大杉は妻との不和と子供達の教育に悩む普通の中年男。 ある嵐の晩に、彼は自宅の扉を叩く音を耳にする。 扉を開けると、そこに立っていたのは時代がかった髪型に紋付き袴を着た、ひとりの少年。 「私は大人に殺される」という少年を、やむを得ず家の中に招き入れた大杉だが、再び家の扉が叩かれる。 「夜分、誠に失礼ながら、ちと物をお尋ね申す…」
格付:AA

魔女たちのたそがれ 原作:赤川次郎(青春アドベンチャー)

サラリーマンの津田が仕事をしていると、高校時代の恋人である依子から突然、電話が掛かってきた。 「助けて…….殺される……」 切れ切れのか細い声に驚いた津田は、依子が小学校の教師を務めている山深い村へと車を走らせる。 狂気と恐怖が支配するその村で、自分にどのような運命が待っているのかは知らずに。
格付:AA

夏の魔術 原作:田中芳樹(青春アドベンチャー)

夏休み。 自由にできる3週間の時間と20万円のお金だけを持って、大学生・耕平は気ままな一人旅に出た。 そして辿り着いた地方の無人駅で、12歳の家出少女・来夢(らいむ)と出会う。 次の列車を待ちわびる耕平と来夢だが、ようやく目の前に現れた列車は、観光地でもない地方の無人駅に停車するとは到底思えない蒸気機関車だった。 耕平、来夢を始めとする合計8人の待合客は、不審に思いつつ、他に移動の手段がないためやむを得ずその列車に乗車する。 しかし、列車はいつしかどことも知れない漆黒の暗闇に突入し、不思議なトンネルを通りつつ、無停車で、しかも、あり得ないほど真っ直ぐにばく進を続ける。 また、来夢も夢にうなされたかのような奇妙な言動を始める。 理解不能な事態に恐慌に囚われる乗客達。 しかし、これは一行を待ち受ける恐怖の始まりに過ぎなかった。
格付:AA

泥の子と狭い家の物語~魔女と私の七〇日間戦争~ 作:オカモト國ヒコ(青春アドベンチャー)

スカイツリーを見上げる下町。 建物の隙間としか思えない狭い狭い路地を通らないと辿り着けない、小さな家に高校生の少女・小豆(あずき)は住んでいる。 家族は両親と小豆、そして寝たきりのおばあちゃんの4人。 ところが、ある頃から母の言動が少しずつおかしくなり始める。 しかし、この狭い家が大嫌いで両親にも不満だらけだった小豆はそのことを深くは考えない。考えたくもなかった。 ところが、母親の言動がエスカレートを始め、母親の信頼を得た謎の占い師・加々美(かがみ)が小豆の家に住み着くに至り、小豆も事態の異常さに気がつき始める。 そして、つぎつぎと狭い家に移住してくる加々美の「家族」たち。 少しずつ起こり始める異常な現象。崩壊していく小豆の家族。 失われた家族の絆を取り戻すために小豆は行動を始めるが…
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