リフレイン -私とおじいちゃんの捜査ノート- 作:佐藤友治(青春アドベンチャー)

格付:A
  • 作品 : リフレイン -私とおじいちゃんの捜査ノート-
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : A
  • 分類 : 推理
  • 初出 : 2025年6月9日~6月13日
  • 回数 : 全5回(各回15分)
  • 作  : 佐藤友治
  • 演出 : 一木万由子
  • 主演 : 上坂樹里

両親を亡くしてから心の平衡が保てなくなってしまった夏希(なつき)。
だけど、いつも一緒にいてくれるおじいちゃんに支えられてようやく保健室に登校できるようになった。
でもみんなと同じ時間は無理だから、朝早く登校して養護教諭の京子先生が保健室のカギを明けてくれるのを待っている。
京子先生は夏希イチ押しのアニメ「弦楽の戦士たち」の推し活仲間だ。だからこの時間は楽しい。
でもこの時間に学校にいたからこそ犯人だと疑われることになってしまった。
その日、体育教師の若山先生が外廊下から転落したときに学校にいた女性は私と京子先生、そして親友の栞(しおり)だけ。
若山先生は意識を失う前に犯人は女性だと言ったらしい…


本作品「リフレイン -私とおじいちゃんの捜査ノート-」は大阪出身の脚本家・佐藤友治さんによりオリジナル脚本のオーディオドラマで、2025年6月にNHK-FMの青春アドベンチャーで放送されました。

新・朝ドラヒロイン発表

さて、正直なところ本作品の一番の特徴はやはり出演者だと思うので、慣例とは違うのですが、まず先に出演者の紹介から始めます。
主役の夏希を演じる上坂樹里さんはSeventeen専属モデル出身の方で最近は女優としてもそのキュートさが注目されている方だったのですが…
本作品が公式HPで公表されたのが2025年5月14日。
そして実際に放送開始される6月9日の概ね1週間前の6月3日になんと2026年春から放送される連続テレビ小説(朝ドラ)「風、薫る」の2人目のヒロインに上坂さんが選ばれたことが発表されました。
過去、朝ドラヒロインが出演された青春アドベンチャー作品はこちらにまとめていますが、こんなタイミングはたぶん初めてだと思います。
NHKの人はわかってやっているような気がします。さすがです。

元乃木坂46センター

その他の出演者もなかなか凝っています。
京子先生を演じるのは元乃木坂46の西野七瀬さん。
多くの曲でセンターを務めた乃木坂の代表的なメンバーでしたが卒業後は女優活動を積極化されています。

女の子役と男の子役

そして残りの出演者はアニメ方面で活躍している声優さんがずらり。
まず親友・栞役を演じるのは、「図書館戦争」(笠原郁)、「スマイルプリキュア!」(緑川なお/キュアマーチ)、「進撃の巨人」(アルミン)などで有名な井上麻里奈さん。
しかも井上さんは冒頭の劇中劇での琵琶丸役をはじめ、ひとことだけの役を含めると何役やっているのよ、と思うほどの登場ぶり。最後には歌まで歌っています。
もともと女子校(学習院女子)出身で男女両方の役をやりたいから声優になったという井上さんの面目躍如です。

ベテラン声優

また、おじいちゃん(泰造という役名が設定されているが作中ではほぼ「おじいちゃん」)役の声優アワード功労賞受賞者・緒方賢一さんも渋い。
最近アニメにはあまり出演されていないようですが1970年代の「宇宙戦艦ヤマト」のアナライザー、「らんま1/2」の早乙女玄馬、「名探偵コナン」の阿笠博士など、声を聞けば「ああこの声」とわかるような方です。

ライトな推理もの

さて肝心?のストーリーですが、一応、推理ものではあるのですが、まあ全5話の小品ですので大きな事件が起こる訳ではありません。
また、モデルやアイドル出身の方々が主要キャストで、剽軽なおじいちゃんが準主役ですので基本的にライト風味。
少女探偵に明日はない」(1988年)とか「夢みるように愛したい」(1990年)とか「私の彼はポアンカレー」(2012年)とか「カナコと加奈子のやり直し」(2022年)とか「昔からこういう軽い作品あるよね~」と思っていいたのですが、聞いていると本作品、意外と謎解きをしている時間は長い。
実際、第1回の放送を再聴取(=リフレイン?)していみると、ちゃんと「音」や「アクセント」が謎解きどおりだったりして凝っているなあと思います。
また第2回終了間際の突然の急展開もオカルトネタに頼ることなく、うまく着地させているのは好感が持てました。

実際は少女の成長もの

ただ、やはり全5回は短すぎた。正直、ストーリー展開にかなり無理はあります。
そもそも2025年当初に放送された「彼女が遺したミステリ」がミステリーといいつつ実質恋愛ものだったのと同様に、本作品もミステリー要素は濃いものの少女の成長ものという風にとらえるのが適当な気がします。
その面から気持ちの良いラストだったと思います。

これもひとつのオーディオドラマの楽しみ

…というものの、やはり本作品はキャスティング。
出演者の皆さんはただでさえ出身母体が異なる方々ですし、緒方さんがご高齢(83歳)なこともあり、この座組で作品が作られることは多分もうないのではないかと思います。
オーディオドラマならではの奇跡の組み合わせだと思います。
格付けはそこも評価のうえ付けています。

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