最後の惑星 原作:ユルゲン・ローデマン(アドベンチャーロード)
東西冷戦下の西ドイツ。
ソビエト連邦による東西対話の動きは見えるものの、まだまだ緊張状態が続く西ドイツに、久しぶりの明るいニュースが舞い込んできた。
アメリカ合衆国が世界初の有人火星探査を計画し、イギリス・西ドイツなどの西側ヨーロッパ諸国からもパイロットを選ぶという。
ドイツ人の宇宙物理学者フェリックス・レーマンはこの千載一遇のチャンスに応募することを決意し、妻子に相談する。
応募条件は、宇宙工学と宇宙物理学をはじめとする諸分野に詳しく、若く運動神経も良い人間という厳しいもの。
しかし楽天家のレーマンは密かに合格する自信があり、息子も大賛成してくれた。
妻と娘は心配そうだがそれでもレーマンの意思を尊重してくれた。
火星探査計画への参加に向けて動き出したレーマンだが、彼は後に驚くべき事実を知ることになる。