格付:B

踏切の向こう側 作:坂下泰義(FMシアター)

朝の5時から1時間ごとに交代しつつ夜の12時まで。 踏切前での交通量調査のバイトは、意外と疲れるけど、単調といえば単調、退屈と言えば退屈なバイトだ。 しかし、夕方、通りかかった女子高生に声をかけられたことにより状況は一変してしまった。 「最終電車に飛び込むつもりなんです。迷惑かけたらいけないので予め言っておきますけど。」…ってオイ。 勘弁してくれよ。
格付:B

エアメール・スペシャル 作:富田康明(ふたりの部屋)

20歳にして世界的な写真コンクールのグランプリを受賞してから2年。 シンデレラに掛かっていた魔法は解けて、カメラも元のカボチャに戻ってしまった。 でもただのラッキーだった女の子で終わりたくはない。 だから彼に黙って海外へと旅だった。 あたし自身を見つめ直すために。
格付:B

ソラノムスメ 作:江口美喜男(FMシアター)

姉が死んでから半年。 今でも母は4人目の食事の準備をしてしまうことがある。 母はまだ姉の死を受け入れられない。 でも、姉の死に囚われたままなのは僕も同じだ。 亡くなった姉宛に届いた夏フェスのチケット。 姉は誰とフェスに行くつもりだったのだろうか。 そして、ようやく開くことの出来た姉のスマホのスケジューラーに入力された“BF”の文字。 姉はあの事故のあった日、なぜ家ともバイト先とも違う方向に向かったのだろうか。
格付:B

ディス・イズ・ザ・デイ 原作:津村記久子(青春アドベンチャー)

日本サッカー2部リーグ、最終節。 全国5会場で繰り広げられる熱戦の陰でサポーターたちの様々な人間ドラマが繰り広げられていた。 お気に入りのチームにはもちろん勝って欲しい。 でもそれだけではない。 スタジアムに集う理由はさまざまだ。
格付:AA

遠い星からきたノーム~ウイングス 原作:テリー・プラチェット(特集サラウンド・アドベンチャー)

星へ帰るために宇宙船を探す旅に出たマスクリン、ガーダー、アンガロの3人のノームとAIのシング。 ところが、ようやくたどり着いた空港では期待していたような宇宙船との通信はできないことがわかった。 落ち込む3人だが、その時偶然にニュースを聞いたシングがノームたちの運命を大きく変える提案を始めた。 フロリダで打ち上げられる通信衛星。 その機器さえあれば宇宙船に連絡をすることができるかもしれない。 しかし、イギリスからフロリダのケネディ宇宙センターまでいったいどうやって行けばいいんだ?
格付:B

遠い星からきたノーム~ディガーズ 原作:テリー・プラチェット(特集サラウンド・アドベンチャー)

取り壊されるデパートから、無人の石切り場へのエクソダス(出ストア)に成功したノームたち。 2度の目の冬を迎えるころには貧しいながらも生活は安定しつつあった。 しかし、ある日、人間が現れ、石切り場を再稼働させるための動きが始まってしまう。 ノームはいつまで人間から逃げ回らないといけないのか。 人間が追いかけてこないノームだけの場所が欲しい。 案じた一党のリーダー・マスクリンはついに星へ帰るための宇宙船を探すことを決意するのだが。
格付:AA

遠い星からきたノーム~トラッカーズ 原作:テリー・プラチェット(特集サラウンド・アドベンチャー)

宇宙船の故障により、地球に不時着してから1万5千年。 非力なノームたちにとって、この星の自然はあまりに過酷だった。 文明が退行し過去の記憶と技術をなくしたノームたちは、強大な原住生物に圧迫され、遂に生き残りは10人、力のある若手の男性に至ってはわずか1名を残すまでに数を減らしてしまった。 このままでは全滅は必至と考えた彼らは、少しでも住みやすい新天地を目指し集団移住することを決意する。 そして自力での長距離移動の能力を持たない彼らは、ある移動手段を取ることを決めたのだった。
格付:B

トゥー・ラブ・アゲイン~若き文学者たち 作:森治美(ふたりの部屋)

岡山県にある竹久夢二の生家に向かう途中に出会った、「29歳のおじんに片足を突っ込んだ」男性と、自称「20歳の大学生」の女の子。 ふたりは成り行きで、文学者に縁のある土地を巡る「文学の旅」で中国地方を巡ることになったのだが…
格付:B

手をつないだまま さくらんぼの館で 原作:令丈ヒロ子(青春アドベンチャー)

僕、学生作家のモドリ野颯太(もどりの・さった)は、入院した遠縁のおばあさんに代わって白桜館(はくおうかん)なる洋館を住み込みで管理することになった。 洋館と言っても木造2階建ての小さなもの。 大学休学中という暇な身にとっては、管理などお手のものだ。 そもそも、リア充高校生を主人公にしたお手軽な青春小説がいつまでも売れ続けるとは思えず、大学を休学して本格的に執筆に専念したいと思っていたところだったのだから、学生作家の身には不相応な平穏な執筆環境を手に入れられると思えば大歓迎、むしろ渡りに舟、まさに夢のような話だ。 でも平穏な生活は長くは続かなかった。 ある日突然、家原りりな(いえはら・りりな)と名乗る10歳の少女が現れたのだ。 彼女がいうには、りりなはおばあさんの孫で、そのおばあさんに白桜館に住むように言われたのだから、同じようにおばあさんから館の管理を任された颯大にはりりなを世話する義務がある、らしいのだが…
格付:AA

飛ばせハイウェイ、飛ばせ人生 作:樋口ミユ(FMシアター)

さあ、もうひと仕事。 明日の朝までに木更津から吹田に行かなければならない。 夜の3時に走る車は自分のような荷物を積んだトラックくらいだ。 こんな夜には助手席に話し相手がいないとやっていられない。 おや、ヒッチハイクしようしとている人がいるぞ。 それも初老の男性だ。 行き先を書いたボードには… “LAまで”?! 変わったじいさんだが、乗せてみるか… 午前4時、空はまだ暗い。
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