太秦ムービースター 作:滝本祥生(FMシアター)

格付:B
  • 作品 : 太秦ムービースター
  • 番組 : FMシアター
  • 格付 : B
  • 分類 : 家族
  • 初出 : 2019年9月28日
  • 回数 : 全1回(50分)
  • 作  : 滝本祥生
  • 音楽 : 山下康介
  • 演出 : 真銅健嗣
  • 主演 : 柳生みゆ

さすが太秦(うずまさ)、映画の街。
高校の夏休みの課題がショートムービーづくりとか、優秀作は学園祭で放送されるとか。
でも、転校して3か月の私のとっては迷惑でしかない。友だちがひとりもいないのにどうやって映画を作れというのか。
でもひとりのクラスメイトが声を掛けてきた。
彼女曰く「この映画で人気者になって、一緒にこの虚しい日陰人生から脱出しよう!」って……うざい。面倒くさい。
しかもはずみで私のおじいちゃんが元俳優だと洩らしたら、おじいちゃんを主演にするとはしゃぎだす始末。
仕方なくおじいちゃんに出演交渉したら言われてしまった。「ギャラはなんぼや。」
最悪…何もかも最悪…



本作品「太秦ムービースター」は劇団“B.LET’S代表(演出・脚本)の滝本祥生(たきもと・さちお)さんによるオリジナル脚本のラジオドラマです。

俳優・深水三章

もともとは2018年第39回BKラジオドラマ脚本賞の佳作を受賞した作品を、演出の真銅健嗣さんと相談しながら練り直したもので、2017年に亡くなられた俳優の深水三章さんをイメージした作品なのだそうです(詳しくは外部ブログ参照)。
ちなみに、本作品において深水三章(しんすい・さんしょう)さんをイメージしているのであろう準主役の祖父を演じたのは俳優の塩見三省(しおみ・さんせい)さん。
この名前の相似は意図的なのか偶然なのか。よくわかりかません。

家族の物語

さて、本作品の主人公は高校2年生の美乃梨(みのり)。
一人暮らしの祖父を心配した母が、無理矢理、娘である美乃梨を連れて引っ越してきた直後という設定です。
美乃梨自身10歳くらいまでは京都に住んでいたので故郷に戻っただけとも言えますが、いずれにしろ友だちは全くいません。
それどころか無口な祖父との仲もうまくいっているとは言い難く、全方位で孤立気味。
そのため全般的に反抗的でヤサぐれ気味。
しかし、友人が書いた脚本が祖父の人生の一部をなぞるようなものであったことから、祖父の人生や既に他界している祖母との関係に思いをいたすようになり、徐々に祖父との距離が縮まったいくという…まあ、ありがちな家族の物語ですね。
個人的には終盤の子弟ゴッコの部分は少し冗長だったりいまひとつ乗れなかった作品ではあるのですが、出演者はなかなかいい感じだと思いました。

柳生みゆさんの好演

まず、主人公の美乃梨を演じるのは女優の柳生みゆさん。
ファッションモデル出身の方なのですが、実は放送時28歳と役柄の年齢よりかなり上ということもあり、ヤサぐれ感を上手く表現しています。

俳優・塩見三省

そしてなんといっても元大部屋俳優の祖父を演じた塩見三省さん。
本作品放送時71歳ですが、なんとラジオドラマ初出演だったそうです。
もともと人情味あふれる役の印象が強い方ですが、北野武監督の「アウトレイジ」出演以降は悪役の印象も強烈。
本作品ではその中間ともいえる、朴訥でぶっきらぼうな元役者(あくまで大部屋俳優でありスター俳優ではない。ましてスタープレイヤーではない)を演じていらっしゃいます。
ちなみにが塩見さんは演劇集団円出身の元舞台俳優さんなので、太秦で大部屋俳優をしていたような過去はないはずですが、京都出身でもありますので、京都弁はネイティブなのだと思います。
NHK京都局の作品という訳ではないのにちゃんと京都出身の俳優さんを使うのはNHKらしいところですね。



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