格付:B

さだまさしの青春症候群(カフェテラスのふたり)

本作品「さだまさしの青春症候群」は、さだまさしさんが歌と原作を担当したラジオドラマで、1986年7月にNHK-FMの「カフェテラスのふたり」で放送されました。 本作品はその約2カ月前に放送された「さだまさしの自分症候群」と脚本家と出演者が同じ、原作も両作品ともさだまさしさんの短編小説&エッセイ集「自分症候群」(新潮社刊)から取っているようですので、事実上セットの作品といえるでしょう。
格付:AA

青春離婚 原作:紅玉いづき(青春アドベンチャー)

中学時代、わたしの裏での呼び名は「ケイレン」だった。 ストレス性の顔面痙攣のせいだ。 そのせいでずいぶんと嫌な思いをした。 だから高校は、わざわざ家から遠い、この八木商業高校を選んだ。 それなのに。 登校初日、アイウエオ順に並んだ机での自己紹介。 わたし、佐古野郁美(さこの・いくみ)のすぐ後に自己紹介した彼はこういったのだ。 「佐古野、灯馬(とうま)です」 先生が訪ねる。 「なんだ? 佐古野郁美と同じ苗字だな。親戚か?」 否定する灯馬さんにさらに先生は言った。 「そうか。せっかくだから仲良くしろよ!夫婦みたいなんだからな」 一斉に笑うクラスメイト。 最悪。 やっと「ケイレン」から逃れられたと思ったら、今度は「夫婦」だなんて…
格付:B

さだまさしの自分症候群(カフェテラスのふたり)

本作品「さだまさしの自分症候群」は、NHK-FMの「カフェテラスのふたり」という番組で1986年5月に放送された作品で、シンガーソングライターのさだまさしさんの原作・歌をもとにしたラジオドラマです。 この「自分症候群」というタイトルは、本作品の前年に大ヒットした、さださんのシングル「恋愛症候群」(性格には「恋愛症候群-その発病及び傾向と対策に関する一考察-」)に乗っかったものだと思います。 ちなみに、本作品の2か月後には、本作品の続編ともいえる「さだまさしの青春症候群」が放送されています。
格付:A

UFOはもう来ない 原作:山本弘(青春アドベンチャー)

「わたしのおじいちゃん  三年四組二番  木じま千里 わたしのおじいちゃんは、とてもえらい人だと思います。 おじいちゃんの開いているはく物かんは、せかいで一番ユーフォ―にくわしいんだよ、といつもわたしに自まんします。 わたしのおじいちゃんは、ユーフォーサイエンスミュージムのかん長です。 おおきくなったら、わたしもユーフォ―のけんきゅうかになって、おじいちゃんといっしょに、うちゅう人に会いたと思います。」 2015年12月20日。曇りのち雨。 祖父が死んだ。 祖父が死んだといってもあまり実感というものがない。 今も宇宙のどこかで生きているような気がする。 私も祖父の探していた宇宙人を探す。 私もUFO研究家になるのだ。
格付:B

モー!いいかげんにして! 作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

私はネズミだ。 いや、本当は銀河連邦から派遣された監視員なのだが、この1年間、ネズミの姿に身をやつしてこの国を監視してきたのだ。 この星ときたら広い宇宙で一番偉いと思い込んでいる。 ほっておくと何をしでかすかわからない。 さっさと銀河連邦に加盟するようになって欲しいのだが、今年1年見ていても進歩した形跡がさっぱりない。困ったものだ。 さて、今年も監視員の交代の時期が来た。 後任の「ウシ」がやって来たようだ。 そろそろ引き継ぎのレクチャーを始めるとしよう…
格付:C

もう一度、夫婦で 作:中澤香織(FMシアター)

40年前はバスだった… あの頃、宮崎は新婚旅行先として空前のブームの最中だった。 しかし、66歳になった仁史が妻の裕子と降り立った宮崎ブーゲンビリア空港は、すっかりくすんで見えた。 いや、くすんでしまったのは自分たち夫婦なのかもしれない。 今回の旅を企画したのは私だ。 もう一度、夫婦として生きていくことはできるのだろうか。
格付:A

つばき、時跳び 原作:梶尾真治(青春アドベンチャー)

趣味で書いた小説がコンテストの優秀作になったのを切っ掛けに、俺はサラリーマンを辞め、作家になった。 といっても、駆け出しの新人作家に生活力なんて、ある訳がない。 今は、死んだじいさんの使っていた家を親から借りてただで住まわせてもらっている。 戦後に廃屋同然だったのを買い取ったというだけあり、いつ建てられたのかも分からないほど古びたわが家。 しかし、庭に肥後椿が咲き誇るこの家で、ちゃぶ台に向かって原稿を打つ生活を、実は俺は結構気に入っている。 ただひとつ気になることがある。 先日、母が急に「その家には女の幽霊がでる」と言い出したのだ。 何でもその幽霊は女性にしか見えず、新しくこの家に嫁に来た代々の女性は、この幽霊を見てはじめて「あなたもこの家の嫁になったのねえ」などと言われるらしい。 そういうことは早く言って欲しい… ?そういえば、あそこに見えるのは何だ…
格付:A

還れ、大山へ(かえれ、だいせんへ) 作:よしおよしたか(FMシアター)

「遠藤権造(えんどう・ごんぞう)さんの様子を見てきて欲しい」 アパートの大屋にそう頼まれた私は遠藤老人の部屋を訪ねた。 私の職場は、区役所の高齢福祉課。 独居老人の見守りや万相談対応が仕事だ。 遠藤老人はもともと足が悪く、言葉も不自由だったが、その日、部屋に訪ねてみると特に体調が悪そうだった。 仕方がない。 遠藤老人を外に運びだそうとした私だったが、彼が手に持っていた手ぬぐいを引っ張ったところ、突如、彼は暴れ出し、私を羽交い締めにし始めた。 苦しい… 抵抗の末、やっと意識を取り戻した「私」だが、周りを見るとなぜか山深い里に女性とふたりでいることに気がついた。 自分は一体、どうしてしまったのだ? 足が動かない。言葉も出ない。 ケガをしているのだろうか。
格付:B

遥かなり、ニュータウン 作:伊佐治弥生(FMシアター)

妻の七回忌に、42歳になる息子がわが家に帰ってきた。 子どもたちと足並みを揃えるように成長していった夢の街。 しかし今、この街に子どもたちの声はなく、戻ってきた息子もしょぼくれたおじさんになっていた… 40年前、昭和40年代にニュータウンの一角に建てられたわが家で、父と息子の共同生活が始まる。
格付:C

伸坊の哲学的 原作:南伸坊(カフェテラスのふたり)

本作品「伸坊の哲学的」は南伸坊さんのエッセイ「哲学的」をもとに、少しだけドラマ風に味付けした番組です。 放送された「カフェテラスのふたり」という番組は、1985年4月に前身番組の「ふたりの部屋」から模様替えされた番組であり、本作品はその2作品目にあたります。
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