昨日の海は 原作:近藤史恵(青春アドベンチャー)
大江光介は、四国の寂れた町・磯ノ森(いそのもり)に両親と3人で暮らす少年。
進学校に入学したころから「将来は磯ノ森を出ていくかも知れない」と漠然とは思っていたが、他人に誇るものも、他人から隠さなければいけないものも、いずれも持っていない、ごくごく平凡な高校生…だと思っていた。
しかし、母の姉である芹(せり)伯母さんが東京から戻ってきたときに、芹の両親、すなわち光介の祖父母が実は心中で他界していたことを知ってしまう。
光介にとっては噂でも聞いたことがなったが祖父母の心中事件。
しかし、それが噂にならなかったのは、地元の人間なら誰でも知っていることだったからなのだ。
そしてそれを契機に、光介は周りの人達が心中事件について胸に秘めていた思いを知るようになる。