2017年の青春アドベンチャー一覧

【2017年放送の青春アドベンチャー総括】

1月9日に「ちいさなちいさな王様」でスタートした2017年のNHK-FM青春アドベンチャーの放送も、12月22日終了の「クリスマスの幽霊」で新作の放送を終了しました。
新作が16作品、再放送が現在の放送中の「びりっかすの神さま」を含めて10作品のラインナップでした。
このうち新作を、当ブログでつけた格付けとともに、一覧で示すと以下のとおりです。

放送日 作品名 格付*
1 1/9~1/13 (5回) ちいさなちいさな王様 A+
1/16~1/27 (10回) 闇の守り人(再) 2007
2 1/30~2/10 (10回) 帝冠の恋 AA+
2/13~2/24 (10回) 恋愛映画は選ばない(再) 2013
3 2/27~3/10 (10回) つばき、時跳び A-
4 3/13~3/24 (10回) UFOはもう来ない A+
5 3/27~3/31 (5回) 青春離婚 AA
6 4/3~4/21 (15回) タイムライダーズ AA+
4/24~5/5 (10回) エイレーネーの瞳 シンドバッド23世の冒険(再) 2013
7 5/8~5/12 (5回) きりしたん算用記 B
5/15~5/26 (10回) 1985年のクラッシュギャルズ(再) 2013
8 5/29~6/9 (10回) あおなり道場始末 A-
6/12~6/23 (10回) ツングース特命隊(再) 2013
9 6/26~7/7 (10回) エヴリシング・フロウズ A+
7/10~7/21 (10回) ブラジルから来た少年(再) 1996
10 7/24~8/4 (10回) 金魚姫 AA-
11 8/11~8/25 (5回) 斜陽の国のルスダン A+
12 8/28~9/15 (15回) また、桜の国で AAA-
9/18~9/29 (10回) 僕たちの宇宙船(再) 2013
13 10/2~10/13 (10回) 風の向こうへ駆け抜けろ AA+
14 10/16~10/27 (10回) 水晶宮の死神 C+
10/30~11・10 (10回) 家電の極意(再) 2011
15 11/13~11/24 (10回) 天下城 A
11/27~12/8 (10回) 予言村の転校生(再) 2015
16 12/18~12/22 (5回) クリスマスの幽霊 B
12/25~12/29 (5回) びりっかすの神さま (2014)

* 数字は再放送作品の初回放送年

良作品が多かった

2017年は1992年に始まった青春アドベンチャーが満25歳を迎えた記念すべきだった年なのですが、「聞き逃し配信」が始まったという予想外のグッドニュースはあったものの、残念ながら特に記念行事はなし。
ただし、作品の質は25周年にふさわしいもので、なかなか満足な1年でした(あくまで私個人の感想ですが)。
敢えて順位をつけるならば、「また、桜の国で」、「タイムライダーズ」、「風の向こうへ駆け抜けろ」がベスト3ですが、「帝冠の恋」、「青春離婚」、「金魚姫」も遜色なく楽しめる作品でしたし、ジャンル的にあまり好きではない日常系の「エヴリシング・フロウズ」なども意外と好きな作品です。
「タイムライダーズ」、「風の向こうへ駆け抜けろ」は続編が期待できそうなのも楽しみな要素ですね。
各作品の感想は是非、作品個別の記事をご参照ください。

オリジナルの新作なし

その他の2017年の初出作品の特徴として、まずオリジナル脚本の作品が1作品もなかったことが挙げられます。
再放送で「僕たちの宇宙船」と「家電の極意」がオリジナル脚本作品でしたが、新作では一切なし。
個人的には青春アドベンチャーは原作付き作品が王道だと思うので、どうしてもオリジナルが欲しいわけではないのですが、近年、オリジナル脚本の長編で「走れ歌鉄!」(2016年)や「人喰い大熊と火縄銃の少女」(2015年)といった良作があったことも事実。
ないならないで寂しいというわがままな気持ちです…

オリジナル音楽は多し

一方、近年の傾向が継続しオリジナル音楽はかなり多く、むしろオリジナル劇伴の作品の方が多い状態でした。
予算の問題(作曲家さん側から見れば報酬の問題)など色々大変な部分はあろうかと思いますが、是非、この傾向は続けて欲しいものです。

西洋歴史ものが多かった

また、歴史ものが多かったことも2017年の特徴かもしれません。
世界史系では「帝冠の恋」と「斜陽の国のルスダン」、そして「また、桜の国で」。
少し苦しいかもしれませんが「水晶宮の死神」や、再放送ですが「ブラジルから来た少年」(今年のアーカイブ枠?)も、歴史を知っていればこそ楽しめる作品です。

日本歴史ものやタイムトラベルものも

日本史系では「きりしたん算用記」と「あおなり道場始末」と「天下城」。
タイムラベルものの「ライムライダーズ」や「つばき、時跳び」も一種の歴史ものといえるかも知れません。
歴史上の事実という誰もが常識として持っている要素を盛り込むことによって物語に厚みを出せるという点を考えれば採用数が多くなるのも頷けますね。

2作目の原作採用

最後に、過去に1度取り上げた作家の2作品目の採用、というパターンも多かった。
1年で2作品取り上げられた須賀しのぶさんは特別として、梶尾真治さん(1991年「サラマンダー殲滅」→2017年「つばき、時跳び」)、ロバート・ウェストール(2003年「海辺の王国」→2017年「クリスマスの幽霊」)、葉室麟さん(2012年「蜩ノ記」→2017年「あおなり道場始末」)が該当します。
とはいえ作品を選ぶ側があまり気にしているとは思えず、あくまで偶然かもしれません。

人気投票にご協力を

さて、この2017年についても、2016年、2015年に引き続きリスナーによる人気投票を実施しました。
投票結果はこちらからご確認ください。


当ブログで実施した2017年の青春アドベンチャー人気アンケートの結果はこちらです。



■年ごと作品一覧へのリンク
番組ごとの各年作品一覧へのリンクは以下のとおりです。

  • 青春アドベンチャー(1992年~)
  • サウンド夢工房(1990年~1992年)
  • アドベンチャーロード(1985年~1990年)
  • FMアドベンチャー(1984年~1985年)
  • カフェテラスのふたり(1985年~1988年)
  • ふたりの部屋(1978年~1985年)
  • FMシアター等単発番組

Hirokazu

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