格付:A

格付:A

斜陽の国のルスダン 原作:並木陽(青春アドベンチャー)

1223年。 ヨーロッパとアジアの中間、黒海とカスピ海に挟まれたキリスト教国でひとりの女王が即位した。 周りをイスラム教国に囲まれるという地理的な不利を跳ね返し、その国が繁栄を極めたのはすでに過去のこと。 前王はモンゴルとの戦いで戦死し、国の存続すら危うい中、政治に無関心、無関係で育った女王にとって、唯一の味方は、隣国ルーム・セルジュークの王子であり幼馴染であった夫ディミトリだけであった。 これは国の運命を一身に背負った女王の物語。 最愛の男性と結ばれるという幸福と最愛の男性と離別するという悲しみを同時に受け止めた女王ルスダンの物語。
格付:A

BANANA・FISH パート2 原作:吉田秋生(青春アドベンチャー)

謎の言葉「バナナ・フィッシュ(BANANA FISH)」を追っていたストリートキッズのリーダー、アッシュ・リンクスは、その正体 - 1970年代に3人の学生が作り出した激烈な幻覚剤 - を知ることと引き換えに囚われの身になってしまう。 ようやくそこから逃げ出したアッシュだが、彼に安息のときは訪れず、バナナ・フィッシュをめぐる争いは激化していく。 コルシカ・マフィア、チャイニーズ・マフィア、ニューヨーク市警、謎の国家機関・国立精神衛生センター、そしてアッシュをも上回る最強の戦闘能力を持つ男… バナナ・フィッシュをめぐる争いはいかなる結末を迎えるのか。 そしてアッシュと、彼が心を許す唯一の友人・英二の運命は。
格付:A

エヴリシング・フロウズ 原作:津村記久子(青春アドベンチャー)

ヤマダヒロシは大阪市大正区に住む中学3年生。 両親は離婚していて、オカンとふたり暮らし。 絵を描くことだけは結構、自信があったけど、それも昨年の写生大会で、クラスの地味目な女子に完敗してからすっかりやる気がなくなってしまった。 やたらと高圧的な優等生、無口で悪い噂のあるでかい男、なぜか威圧してくる女子、そして例の絵のうまい女の子。 新しいクラスも苦手な奴ばっかりだ。 こんなことで、1年間を乗り切れるのだろうか。 自分は、運河と海に囲まれたこの埋め立て地から一生抜け出せないのではないだろうか。
格付:A

あおなり道場始末 原作:葉室麟(青春アドベンチャー)

ついに米櫃の米が尽きてしまった。 それはそうだ、最後の門人も先日出て行ってしまったのだから。 このままでは父上の一周忌もできない。 それなのに道場主の兄上は「困ったなあ」と繰り返すばかり。 世間の人たちは、失礼にも兄上を「青瓢箪」と「うらなり」を掛けて「あおなり」などと呼ぶが、これでは評判どおりだ… 姉上は姉上で「こうなったら道場破りをするしかない」などと、脳筋ならではの暴言を吐く始末。 これでは姉上が「鬼姫」などと呼ばれるのも仕方がないではないか。 しかし…道場破り? 意外といいかもしれない。 兄上が得意なものといえば剣術だけなのだから。 こうなったら、この勘六、神童の誉れ高く「天神小僧」の異名をとる末弟様が軍師役を務めて、何とか道場破りを成功させるしかない。 それに道場破りを続ければ、兄上が言う父上の死の謎に迫れるかもしれないし。
格付:A

学問ノススメ-挫折編 原作:清水義範(サウンド夢工房)

「いいかぁ! これからの1年だ! この1年の過ごし方で、胸を張って生きていけるようになるか、敗北感を持って生きていかなきゃならんのかが決まる。お前等、こんなにやりがいがある時はない!」 壇上で予備校の教師が、がなりたてている。 何でこんなことになってしまったんだろう。 そう、キビオカ大学の入学試験で、あんな問題さえ出でなければ、今頃は楽しいキャンパスライフを満喫していたはずなのだ。 青春真っ盛りの時期なのに、1年間も浪人生なんていう憂鬱な立場で過ごさなければならないなんて。
格付:A

UFOはもう来ない 原作:山本弘(青春アドベンチャー)

「わたしのおじいちゃん  三年四組二番  木じま千里 わたしのおじいちゃんは、とてもえらい人だと思います。 おじいちゃんの開いているはく物かんは、せかいで一番ユーフォ―にくわしいんだよ、といつもわたしに自まんします。 わたしのおじいちゃんは、ユーフォーサイエンスミュージムのかん長です。 おおきくなったら、わたしもユーフォ―のけんきゅうかになって、おじいちゃんといっしょに、うちゅう人に会いたと思います。」 2015年12月20日。曇りのち雨。 祖父が死んだ。 祖父が死んだといってもあまり実感というものがない。 今も宇宙のどこかで生きているような気がする。 私も祖父の探していた宇宙人を探す。 私もUFO研究家になるのだ。
格付:A

つばき、時跳び 原作:梶尾真治(青春アドベンチャー)

趣味で書いた小説がコンテストの優秀作になったのを切っ掛けに、俺はサラリーマンを辞め、作家になった。 といっても、駆け出しの新人作家に生活力なんて、ある訳がない。 今は、死んだじいさんの使っていた家を親から借りてただで住まわせてもらっている。 戦後に廃屋同然だったのを買い取ったというだけあり、いつ建てられたのかも分からないほど古びたわが家。 しかし、庭に肥後椿が咲き誇るこの家で、ちゃぶ台に向かって原稿を打つ生活を、実は俺は結構気に入っている。 ただひとつ気になることがある。 先日、母が急に「その家には女の幽霊がでる」と言い出したのだ。 何でもその幽霊は女性にしか見えず、新しくこの家に嫁に来た代々の女性は、この幽霊を見てはじめて「あなたもこの家の嫁になったのねえ」などと言われるらしい。 そういうことは早く言って欲しい… ?そういえば、あそこに見えるのは何だ…
格付:A

還れ、大山へ(かえれ、だいせんへ) 作:よしおよしたか(FMシアター)

「遠藤権造(えんどう・ごんぞう)さんの様子を見てきて欲しい」 アパートの大屋にそう頼まれた私は遠藤老人の部屋を訪ねた。 私の職場は、区役所の高齢福祉課。 独居老人の見守りや万相談対応が仕事だ。 遠藤老人はもともと足が悪く、言葉も不自由だったが、その日、部屋に訪ねてみると特に体調が悪そうだった。 仕方がない。 遠藤老人を外に運びだそうとした私だったが、彼が手に持っていた手ぬぐいを引っ張ったところ、突如、彼は暴れ出し、私を羽交い締めにし始めた。 苦しい… 抵抗の末、やっと意識を取り戻した「私」だが、周りを見るとなぜか山深い里に女性とふたりでいることに気がついた。 自分は一体、どうしてしまったのだ? 足が動かない。言葉も出ない。 ケガをしているのだろうか。
格付:A

ちいさなちいさな王様 原作:アクセル・ハッケ(青春アドベンチャー)

ミュンヘンで公務員をしている“僕”が家に帰ると、お菓子のグミベアの袋がガサガサと音を立てていた。 ネズミか、と思って怖々と手に取ってみると… 「無礼もの!! 頭が高い! 我こそは“十二月王二世”(じゅうにがつおう・にせい) である! 頭が高い! 控えおろう~」 そこにいたのは人差し指ほどの人間。 でっぷりした身体に赤いマント、頭に王冠。 それは、ちいさなちいさな王様だったのだ。
格付:A

白狐魔記 元禄の雪 原作:斉藤洋(青春アドベンチャー)

天草の乱から60年。 さすがに人間との付き合いに疲れた妖狐・白狐魔丸(しらこま・まる)は故郷の白駒山に引きこもり続けていた。 一方、師匠の仙人は何やらいそいそと江戸に出かけていく生活を続けている。 白狐魔丸が聞くと、江戸で最近はやりの歌舞伎などの芝居に夢中なのだそうだ。 「芝居はいい!」 とても隠者とは思えない仙人ののぼせぶりに呆れ気味の白狐魔丸。 しかし間もなく彼は、まさに芝居の中に紛れ込んでしまったような、ある数奇な事件に巻き込まれていくことになる。 彼らと出会ったのは、播州・赤穂。 そして事件の発端は、江戸城・松の廊下。
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