格付:A

格付:A

毒見師イレーナ 原作:マリア・V・スナイダー(青春アドベンチャー)

「イレーナ、君に選択肢を与えようじゃないか。」悪名高きヴァレク、謀略と暗殺でこの国を支えてきた防衛長官が、イレーナに告げたのは意外な提案だった。「死刑か、それとも最高司令官アンブローズの新しい毒見役になるか、どちらか選びなさい。」孤児だったイレーナを育ててくれた第五軍管区の将軍ブラゼルの一人息子レアードを殺したイレーナ。暗い地下牢に投獄されてもう1年。極刑は免れない。いや、でもチャンスがあるならやはり生きたい。たとえそれが死ぬより過酷な運命だったとしても。
格付:A

I want to be. ケンジノウタ 作:樋口ミユ(FMシアター)

聞こえただろ、歌だよ。ほら、あの歌、ケンジの歌…高校3年生の時、親友が死んだ。死んだけど悲しくはなかった。なぜなら、ケンジの声は相変わらず聞こえていたから。彼は聞いてきた。「いつまでも覚えていられる?」すっとそばにいる彼を忘れるわけがない…でも、その10年後、くだらない毎日を過ごす僕はあっさり忘れていた、ケンジのことを、ケンジの歌を。
格付:A

月下花伝 時の橋を駆けて 原作:越水利江子(青春アドベンチャー)

2か月前、おじいちゃんが亡くなった。道場主だったおじいちゃんがいなくなった道場はいつもひんやりしたままだ。私の取柄と言ったらおじいちゃんから習っていた古武術だけ。同じ姉妹でも、女優をしている美人の姉とは比較にもならない。でも、学校をやめる決意はした。今日からは自分の力で何かをしてみせる。でも何をしたらいいのかわからない。だから、毎日、おじいちゃんの残した古い未編集の映画ばかり見ていたのだけど。そのフィルムに移っている新撰組の沖田総司を見ているうちに不思議なことが起こったのだ…
格付:A

天下城 原作:佐々木譲(青春アドベンチャー)

落城の光景が忘れられない。もし城さえ落ちなければ、侵略者の武田に囚われて、奴隷のような毎日を送るようなこともなかったはずだ。だから、虜囚の立場からようやく抜け出した私、戸波市郎太(となみ・いちろうた)がやりたいことと言ったら、城を作ることしかなかった。それも決して落ちない「不落の城」をだ。石積み職人になったのもそのためだ。そして、目の前の傲岸な男はそれをやらせてくれるという。「天下人となる意思を示す城」、すなわち「天下城」。それは決して落ちない「不落の城」でなくてはならない、その男、織田信長はそういったのだ。
格付:A

防潮門 原作:アリステア・マクリーン(アドベンチャーロード)

それはひとつの英語のメッセージから始まった。「我々はFFF(エフエフエフ)である。我々は北海に臨む堤防の要衝を爆破する用意がある。第一の目標はスキポール空港。洪水は明日11時に起こることを予告する。」テロリストはオランダという国全体を人質としようというのだ。国土の3分の1が海抜ゼロm以下というオランダを。
格付:A

弾け!はじけろ!そろばん甲子園 作:東多江子(FMシアター)

「もう、部活決めた?」入学式の行われるこの日は、学校中が部活の勧誘活動で賑やかだ。負けてはいられない。わが「珠算(そろばん)部」は、現在、部員たったの2名。部長を拝命してしまった私、北九州総合高校・商業科2年の古賀すずとしては、最低3名くらいは部員を集めたいところだ。…でも集まらない。それはそうだろう、こんな地味な部活、選ぶ方が変だ。こうなったら2名でもいい。いや1名でもいいから、有段者の新入部員がどうしても欲しい。目標としている珠算の全国大会、いわゆる「そろばん甲子園」の団体戦出場には3名が必要なのだ。このままでは出場することすら出来ない!
格付:A

斜陽の国のルスダン 原作:並木陽(青春アドベンチャー)

1223年。ヨーロッパとアジアの中間、黒海とカスピ海に挟まれたキリスト教国でひとりの女王が即位した。周りをイスラム教国に囲まれるという地理的な不利を跳ね返し、その国が繁栄を極めたのはすでに過去のこと。前王はモンゴルとの戦いで戦死し、国の存続すら危うい中、政治に無関心、無関係で育った女王にとって、唯一の味方は、隣国ルーム・セルジュークの王子であり幼馴染であった夫ディミトリだけであった。これは国の運命を一身に背負った女王の物語。最愛の男性と結ばれるという幸福と最愛の男性と離別するという悲しみを同時に受け止めた女王ルスダンの物語。
格付:A

BANANA・FISH パート2 原作:吉田秋生(青春アドベンチャー)

謎の言葉「バナナ・フィッシュ(BANANA FISH)」を追っていたストリートキッズのリーダー、アッシュ・リンクスは、その正体 - 1970年代に3人の学生が作り出した激烈な幻覚剤 - を知ることと引き換えに囚われの身になってしまう。ようやくそこから逃げ出したアッシュだが、彼に安息のときは訪れず、バナナ・フィッシュをめぐる争いは激化していく。コルシカ・マフィア、チャイニーズ・マフィア、ニューヨーク市警、謎の国家機関・国立精神衛生センター、そしてアッシュをも上回る最強の戦闘能力を持つ男…バナナ・フィッシュをめぐる争いはいかなる結末を迎えるのか。そしてアッシュと、彼が心を許す唯一の友人・英二の運命は。
格付:A

エヴリシング・フロウズ 原作:津村記久子(青春アドベンチャー)

ヤマダヒロシは大阪市大正区に住む中学3年生。両親は離婚していて、オカンとふたり暮らし。絵を描くことだけは結構、自信があったけど、それも昨年の写生大会で、クラスの地味目な女子に完敗してからすっかりやる気がなくなってしまった。やたらと高圧的な優等生、無口で悪い噂のあるでかい男、なぜか威圧してくる女子、そして例の絵のうまい女の子。新しいクラスも苦手な奴ばっかりだ。こんなことで、1年間を乗り切れるのだろうか。自分は、運河と海に囲まれたこの埋め立て地から一生抜け出せないのではないだろうか。
格付:A

あおなり道場始末 原作:葉室麟(青春アドベンチャー)

ついに米櫃の米が尽きてしまった。それはそうだ、最後の門人も先日出て行ってしまったのだから。このままでは父上の一周忌もできない。それなのに道場主の兄上は「困ったなあ」と繰り返すばかり。世間の人たちは、失礼にも兄上を「青瓢箪」と「うらなり」を掛けて「あおなり」などと呼ぶが、これでは評判どおりだ…姉上は姉上で「こうなったら道場破りをするしかない」などと、脳筋ならではの暴言を吐く始末。これでは姉上が「鬼姫」などと呼ばれるのも仕方がないではないか。しかし…道場破り?意外といいかもしれない。兄上が得意なものといえば剣術だけなのだから。こうなったら、この勘六、神童の誉れ高く「天神小僧」の異名をとる末弟様が軍師役を務めて、何とか道場破りを成功させるしかない。それに道場破りを続ければ、兄上が言う父上の死の謎に迫れるかもしれないし。
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