2018-09

格付:B

カムパネルラ 原作:山田正紀(青春アドベンチャー)

岩手県の花巻に向かったのは、遺言に従い母の遺骨を花巻の豊沢川に撒くためだった。宮沢賢治が大好きだった母らしい遺言だが、毎日忙しいぼくからすると、何とも厄介な遺言だ。普段の仕事で疲れていて、何度も寝てしまったからか道中の記憶は飛び飛び。だが、ようやく大沢温泉郷に到着した。後は川まで下りて遺灰を撒くだけのはずだったのだが…現在は昭和8年9月19日、近所でやっている葬式は宮沢賢治の葬式だという。僕は寝ている間にいつの間にかタイムスリップしてしまった?いや、そもそも宮沢賢治が死んだのは昭和8年9月21日のはずだ。これは一体?
作品紹介の補足

近藤史恵さん原作「昨日の海は」の真相を妄想で勝手に補足する企画。真犯人は「○○の○」?

【ラジオドラマのストーリーを勝手に裏読みする企画・第2弾。「昨日の海は」について妄想がたどり着いた結論は?】最近、ランニング中にラジオドラマを聞き返すことが習慣になっています。ランニングの時間は、短いときで30分くらい、長いときは1時間半く...
格付:A

暁のハルモニア 作:並木陽(青春アドベンチャー)

17世紀、ドイツは戦乱の渦中にあった。三十年戦争。カトリックとプロテスタントの間で争われた最後にして最大の宗教戦争により、国土は荒廃、住民たちは塗炭の苦しみを味わっていた。後世から見れば「暗黒の中世」は終わりを告げつつある時代。しかし、イタリアでガリレオ・ガリレイが「それでも地球は動く」と呟かざるを得なかった時代でもある。いわんやドイツにはまだ近代文明の曙光もさしていない…ように見える。しかし、そんな時代でも新しい学問を求め歩みを止めない青年がいた。彼の名はヨアヒム・ハインツェル。若き天文学者であるヨアヒムは戦乱で大学を焼け出され、行くところがない。しかし、これ幸いと、予てから憧れていた大天文学者ヨハネス・ケプラーに会いに行くことに決めた。神のあり方を巡って混乱する地上。しかし、真理の光があれば世に調和をもたらすことだってできるはずなのだ。
格付:B

春を待つ音 作:葉月けめこ(FMシアター)

母の遺品の中から見つかった1枚の写真。「糸島にて家族写真」とメモされたその写真には、亡き母と3歳の私、そして見知らぬ男性が写っていた。父は私が生まれる前に死んだ、母からそう教えられてきた。そういえば体調を崩した母が唯一行きたがっていたのは福岡県の糸島だった。そこに何があるというのだろうか。
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