2019-12-13

格付:A

ひとめあなたに… 原作:新井素子(ふたりの部屋)

昨夜は飲みすぎた。記憶は曖昧。それは飲みすぎるよ、カレに「自分は癌だ、だからほっておいて欲しい」なんて言われたら。ショックのあまり何も言えなくても、男友達と一晩飲み明かすことになっても仕方ないじゃない。それにしても度が過ぎたかも。記憶がないどころか、ありえないニュースまで記憶している。「地球に隕石が衝突するので人類の絶滅まであと1週間」とか、随分とひどい妄想だ。…あれ?朝のニュースでも同じことを言っている?まさか、まさか、本当なの?でも、もし本当ならこんなところでグズグズしてはいられない。こんな別れが最後になるなんて絶対イヤ。せめてひとめ会ってもう一度だけでも話がしたい。行こう、カレが住んでいる鎌倉まで。
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