サスペンス(海外)

格付:AA

101便着艦せよ 原作:オースチン・ファーガスン(FMアドベンチャー)

その日、サンフランシスコを飛び立つ101便は、センチュリー航空にとって長年の宿願であった北京への定期便の再開第1便だった。記念式典に出席するボブス副大統領を乗せているという意味でも失敗のできないフライトである。センチュリー航空はこの101便の運航に、同社切ってのベテランパイロットであるビーミッシュ機長を始めとする3人の機長資格を持つパイロットと練達の航空機関士を配し万全の体制を敷いた。しかし、機関士のタッド・エリオットにはふたつの懸念事項があった。ひとつは、貨物室に積まれた靴箱くらいの200個の箱。積み込みの手筈が如何にも不自然だった。そして、もう一つは、DC-10に3基搭載されているエンジンのうちの1基である第3エンジンの調子。「第3エンジンは慢性的に温度上昇の傾向にあり。燃料制御装置を交換。試運転の結果はOK」直前の整備状況を示す航空日誌にはこのように書かれていたのだが…
格付:AA

黄昏のベルリン 原作:連城三紀彦(アドベンチャーロード)

戦後40年を経て好景気に湧く日本。美術大学の講師・青木雄二が、年末年始のカウントダウンを過ごすために向かったホテルで待っていたのは、懇意の女子学生ではなく、エルザという見知らぬ外国人女性だった。外国人に間違えられる容姿を持った日本人の男と、日本人と遜色ない日本語を話すドイツ女との出会い。女は男に謎めいた言葉を伝える。「私はあなたを必要としている」「貴方の描いた『ひなげし』という絵に描かれている女性とそっくりの女性が描かれている絵を知っている」やがて男の前に現れ始めるネオナチの影。ふたりの出逢いは一体、何の始まりなのか。
格付:AA

ブルータスは死なず 原作:三浦浩(アドベンチャーロード)

私、アメリカ合衆国上院議員であるジョージ・マキタは、ある日、上院の地下駐車場で同僚の上院議員リチャード・オコンネルから呼び止められた。オコンネルは次期大統領選挙に出馬が噂されている有力議員だ。彼は言う。「私のランニングパートナーになって欲しい。はっきり言おう。私が大統領で君が副大統領だ。私と一緒にナショナルチケットを買わないか?」彼は、この日系人ジョージ・マキタに副大統領候補になって欲しいというのか。初めて上院議員になったときに感じた戦慄が、再び私の身体を駆け抜けた。自分は副大統領になっても、いやそれ以上になってもおかしくない人間なのだ。そう、合衆国の歴史には副大統領から大統領になった人間も大勢いるのだから…
格付:A

秘密の友人 原作:アンドリュー・クラヴァン(青春アドベンチャー)

小柄で髪が薄く、始終疲れているの中年男ネイサン・コンラッドは、妻アガサと娘ジェシカと3人で暮らす精神科の開業医である。ある日、彼は、友人の精神科医サクスの押しの強さに負けて、殺人容疑者の娘・エリザベスを診察することになる。エリザベスは信じられないほどの怪力で男を殺したのだという。しかし、実際に会ってみたエリザベスは、緑色の瞳、黄金の髪、そして白い肌を持つ、まるで天使のように美しい女性であった。そして、診察を始めたネイサンに対してエリザベスは「殺人を犯したのは自分ではなく自分にしか見えない『秘密の友人』だ。」と告白する。多重人格か、それとも命令型の幻聴かと考えたネイサンだったが、事態は思いもよらぬ展開を見せ、彼の家族をも巻き込む事件へと発展していくのだった。
格付:B

らせん階段 原作:エセル・リナ・ホワイト(青春アドベンチャー)

1902年のウェールズの片田舎。人里離れたウォーレン家の屋敷で住み込みのメイドとして働くヘレンは、屋敷への帰り道、林の中に不審な人物がいるのを目撃する。折しも、このウェールズとイングランドの国境付近では若い女性の連続殺人事件が起きていた。あの人物は連続殺人事件の犯人なのではないか。不安に襲われる中、ヘレンは屋敷に住む人々とともに屋敷に閉じ込められることになる。
格付:AAA

着陸拒否 原作:ジョン・J・ナンス(青春アドベンチャー)

フランクフルト発・ニューヨーク行き、クワンタム航空66便。機長は、空軍出身のベテランパイロットであるジェイムズ・ホランド。副操縦士は、機長を採点する役目のチェックキャプテンでもあるディック・ロブ。クリスマス前の12月22日に離陸したその便は、アメリカ大使ランカスターというVIPを乗せていたものの、あくまで普通のフライトのはずだった。機内でインフルエンザによる急病人が出て、ロンドンのヒースロー空港への緊急着陸を決断せざるを得なくなったことさえ、想定の範囲外のできごとではない。しかし、ヒースロー空港が不可解にも66便の着陸を拒否したことにより、事態はもはや通常の出来事とは言えなくなった。そして迎える急病人の死。それは緊急事態の終わりではなく、始まりに過ぎなかったのだ。
格付:AA

あの夜が知っている 原作:R・D・ツィマーマン(青春アドベンチャー)

シカゴ在住のウィルはドイツ・ベルリン生まれの40歳の男性。10歳の頃に、第2次世界大戦末期のベルリンで母親を殺されたのだが、その前後の記憶が曖昧で、母親を殺した犯人を覚えていないことに長年苦しんできた。ある時、ウィルは催眠療法で過去の記憶を呼び覚ますことを決意し、精神科医アリシアのもとを訪れる。しかし、治療を始めた直後に彼の身辺で不審な出来事が起こり始める。彼は命を狙われ始めたようなのだ。母親が殺された、30年前のあの夜。連合国軍の大空襲を受けていたベルリンで本当は何が起きていたのか。そして、それはなぜ今でも隠されなければならないのか。
格付:AAA

ブラジルから来た少年 原作:アイラ・レヴィン(青春アドベンチャー)

1974年9月、ウィーンを拠点にナチスの戦犯を追っているユダヤ人・リーベルマンは、ブラジルに潜伏しているヨーゼフ・メンゲレの居場所を見つけたという情報を得る。ヨーゼフ・メンゲレ。ナチスの人種理論の強烈な信奉者で、アウシュビッツ強制収容所で多くの人体事件を繰り返し「白い悪魔」と呼ばれた男。もしも逮捕できれば大きな成果だが、その類の胡散臭い情報が入ることはよくあることで、すぐには信じられない。しかも情報提供者によれば彼は「ヨーロッパとアメリカの各地で暮らしている96人の65歳の男性」を殺害する計画を立てているという。俄には信じがたい話であったが、その情報が突如、信憑性を増す事態が発生する。情報提供者が、リーベルマンと電話で話している最中に何事かのトラブルに巻き込まれ、そのまま消息を絶ってしまったのだ。何かが始まろうとしている。リーベルマンは事件の全容を把握するために動き始める。
格付:AAA

ラジオ・キラー 原作:セバスチャン・フィツェック(青春アドベンチャー)

ドイツ・ベルリンのラジオ局、ラジオ101(ワン・ゼロ・ワン)の名物コーナー「キャッシュ・コール」。無作為にかけられた電話を取ったリスナーが予め放送されたパスワードを答えられれば現金がもらえるという人気のコーナーだ。しかし、スタジオ見学に来た松葉杖の男が、番組中に突然人質を取りラジオ101に立てこもってしまったことにより番組は一変してしまう。犯人は番組を乗っ取り、彼自身のルールにより「キャッシュ・コール」を再開したのだ。「ハロー、ベルリン。もし電話を受けたあなたがパスワード以外のことを言ってしまったら僕はこのスタジオにいる誰かを射殺します。101をお聞きの皆様に最悪の悪夢をお届けします。」この犯人と交渉に当たるのはドイツ警察・特別出動隊SWATの交渉人イーラ。イーラは娘を自殺させてしまった自責の念からその日、自らも死のうとしていた。しかし、その直前で同僚であるゲッツに見つかり、この犯人の相手をさせられることになったのだ。当初は精神異常者と思われた犯人だが、交渉が進む中でやがて予想もできない展開を迎える。
格付:AA

五番目のサリー 原作:ダニエル・キイス(青春アドベンチャー)

地味で内気なサリーは子どもの頃から頻繁に記憶喪失に陥るため、29歳の今になるまで何をやっても上手くいかなった。実はサリーの心の中には、デリー、ノラ、ベラ、ジンクスの4人の人格がおり、サリーが精神的に耐えられない状況に陥るたびに、彼らがサリーに代わって事態に対処してきた。サリーの記憶喪失はその結果だったのだ。ある日、何度目かの自殺未遂(サリーは知らないが実はペシミストのノラによるもの)をしたサリーは、ついに精神科医アッシュの治療を受ける決心をする。
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