スーツケース・キッド~バイバイ わたしのおうち~ 原作:ジャクリーン・ウィルソン(青春アドベンチャー)

格付:B
  • 作品 : スーツケース・キッド~バイバイ わたしのおうち~
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : B+
  • 分類 : 少年(幼小)
  • 初出 : 2011年7月18日~7月22日
  • 回数 : 全5回(各回15分)
  • 原作 : ジャクリーン・ウィルソン
  • 脚色 : 堀田りえこ
  • 演出 : 木村明広
  • 主演 : 田中しおり

10歳の少女アンディーはマルベリーの木のある小さな家で両親と楽しく暮らしていた。
しかしアンディの願いにも関わらず両親は離婚することになってしまい、しかも二人ともそれぞれ離婚後すぐに新しいパートナーとその子供達と暮らし始めてしまった。
父親も母親もアンディーは自分が引き取ると言って譲らないが、アンディーの希望はあくまで両親と3人で、あのマルベリーの木のある家に住むこと。
自らの希望を聞かれたアンディーが悩んだ末にだした結論は、母親が暮らす家と父親が暮らす家を1週間ごとに往復するというものだった。
こうして、ふたつの家で、悩みながらも明るく生きるアンディの新しい生活が始まった。



ジャクリーン・ウィルソン原作の小説「バイバイわたしのおうち」のラジオドラマ化であり、全5話の比較的短めの作品です。
全5話というのは正直少し物足りないボリュームではありますが、本作品は短いながら良くまとまった作品です。

子供が主役シリーズ実施中

実はこの記事をアップする2013年3月に子供が主人公の「」が放送されたため、今週、このブログでは子供が主人公の作品を中心に記事を書いています。
本作において少女アンディの置かれている状況はやや特殊ではありますが、「光」と同じように基本的に少年少女(本作のアンディは10歳)の日常生活の話です。
そのため内容も、新しい兄弟との喧嘩や両親の喧嘩、義理の親との意識のズレといったものばかりで、作中で起こる最も劇的な事件も迷子くらいです。
このような内容だと地味で盛り上がりに掛けるうえに、基本的に暗いストーリーになりがちです。
実際アンディの置かれている状況は冷静に考えると結構切ない。

暗いテーマを明るく描く

しかし、アンディが明るく前向きな性格であることもあり、短いストーリーながらアンディだけでなく周囲の子供達・大人達の成長が感じられる気持ちの良い作品でした。
作中でアンディは前向きに二重生活をしていくのですが、只でさえ大変な新しい家族のと関係づくりを二重にしなければいけないことは基本的に無理があります。
最終話でアンディがどのような決断をするのか。
それは聴いてのお楽しみと言うことにしたいと思います。

つい背景を想像してしまう

それにしても、作中では描かれていないのですが、両親ともに離婚した途端に別の相手と再婚って、一体どんな修羅場があったのやら。
仕方のないことではありますが、本当に子供にはいい迷惑だと思います。
また、日本では離婚するとどういう訳か女性側が子供を引き取るのがデフォルトになっており、男性側は希望してもなぜか引き取るのが困難なのが実情と聞きます。
本作ではどうも男性側に離婚原因があったような描写もあるのですが、それはともかくどちらが引き取るかに関しては完全にイコールの状況から子供の希望を踏まえて検討されているようです。
この辺、イギリスと日本の習慣の違いも気になるところです。

主演は田中しおり…さん?

アンディ役で主演されているのは田中しおりさん。
検索してもよくわからないのですが、どうもNHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」などに少女役で出演されている方のようです。
青春アドベンチャーでは子供の役に実際の子供(子役)を当てることも多いのです。
本作の田中さんは子役というほど幼くはないようですが、適度に演技も上手く子供っぽい雰囲気も出ており、適当な配役だと感じました。

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