山のスケッチブック 作:今井雅子ほか(青春アドベンチャー)

格付:B
  • 作品 : 山のスケッチブック
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : B-
  • 分類 : 多ジャンル(競作)
  • 初出 : 2025年6月30日~7月4日
  • 回数 : 全5回(各回15分)
  • 作  : (下表参照)
  • 演出 : 藤井靖、木村明広
  • 主演 : 真彩希帆、大久保祥太郎

2025年現在、NHK-FM青春アドベンチャーで継続している脚本家共作のオムニバスシリーズは「ストーリーボックスシリーズ」と「スケッチブックシリーズ」。
その年ごとにどちらかのシリーズしか放送されないことが多いのですがなぜか2025年は両シリーズの作品が放送されました。
ストーリーボックスシリーズは2月に放送された「ストーリーボックス ザ・マネー」。
そしてスケッチブックシリーズがこの「山のスケッチブック」です。

テーマは頭上?

青春アドベンチャーのオムニバス作品は毎回何らかのテーマを設定して脚本家が短編を競作するのですが、スケッチブックシリーズに関しては、「ソラ」、「」、「」、「」と続いてきて今回は「山」。
今までがそらに関係あるものだったのに今回は少し趣向が違う…と思いましたが、なんとなく頭上に見えるもの、という点では同じなのかもしれません。

各回の内容一覧

それでは各回の概要をご紹介します。

第1話 「やまびこがかり」 (今井雅子)

  • 格付 : B
  • 分類 : 家族
  • 演出 : 藤井靖
  • 概要 : 子供の頃に会ったきりの祖母が私に遺言を残した。遺言書によると私に「やまびこがかり」を継がせるという。やまびこがかり?なんのこっちゃ?
  • 一言 : やまびこがかりという耳慣れない言葉が興味を引くし、3人の女性の心の機微が感じられる。が、全編的には普通だ。

第2話 「背負子の中」 (岸朋楽)

  • 格付 : B
  • 分類 : 幻想(日本/シリアス)
  • 演出 : 藤井靖
  • 概要 : 人との関係に疲れた僕が選んだのは歩荷(ボッカ=山小屋などに荷物を運ぶ)の仕事。それにしても荷物は重い。しかもケースはジュラルミン。一体何が入っているんだ?
  • 一言 : 本作品で唯一の幻想的要素のある作品。わかったようなわからないようなストーリーだが味はある。

第3話 「父のレコード」 (菊地百恵)

  • 格付 : C
  • 分類 : 家族
  • 演出 : 藤井靖
  • 概要 : 父が他界した。父の愛した店に20年ぶりにやってきた娘が見つけたのはテーブルのうえに山積みになったレコードの山。
  • 一言 : 全然山の話ではないなあと思ったが…そうかレコードの「山」か。ちょっと反則気味。話は特にひねりのない家族もの。

第4話 「今夜が山田」 (小峰貴之)

  • 格付 : C
  • 分類 : コメディ
  • 演出 : 木村明広
  • 概要 : 結婚を前に事故に遭遇してしまった男。病院に担ぎ込まれ意識不明の重体と思われていたが…実は声だけは聞こえていた。
  • 一言 : 基本コメディで最後はほろりという路線なのだろうがあまり面白くはない。「コクハラ」の小峰貴之さん脚本なのだが。

第5話 「富士山が見える場所」 (松田裕志)

  • 格付 : B
  • 分類 : 家族
  • 演出 : 木村明広
  • 概要 : 総合病院の産婦人科の看護主任をしている私。最近、子供が欲しくなってきたが夫はカメラに夢中で子供に今日はないみたい。
  • 一言 : うーん。普通のいい話という感じ。真彩さんや大久保さんの声の印象もありすんなり聞けるので流し聞き向きかな。

感想総括

第2話以外はファンタジー色はなく日常もの、というか家族ものの雰囲気が濃い作品群。
正直なところあまり「青春」ではないし、全然「アドベンチャー」でもないかな。
エンタメ枠としてはもう少し頑張ってほしい。
まあ前後が「アゴラ69~僕らの詩(うた)~」、「かがみ池のからくり」と、オリジナル脚本にしては濃いめの作品なのでバランスとしてはこれでよいのかもしれませんが。

主演は真彩さんと大久保さん

主演は真彩希帆さんと大久保祥太郎さん。
両方は同じくらい扱いですが、あえて言うなら、1・3・5話が真彩さんが、2・4話が大久保さんが主演です。
真彩は2021年の「1848」が初出演(主演)で、2024年の「逆光のシチリア」以来の出演となります。
現在、「星のスケッチブック」に主演された華優希さんと並んで現在、青春アドベンチャーで最も重用されている宝塚歌劇団出身の女優さんの一人だと思います。
また大久保祥太郎さんも多くの青春アドベンチャー作品に出演経験があります。
個人的には「精霊の守り人」に出演されていた子役さん(当時10歳くらいだったはず)が立派になられた姿には感慨深いものがあります。


◆スケッチブックシリーズの作品一覧
「ストーリーボックスシリーズ」と並ぶ全5話のミニ・オムニバスシリーズ「スケッチブック・シリーズ」。
その一覧がこちらです。


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