格付:A

1975年に生まれて 作:古川健(特集オーディオドラマ)

深夜の高速道路。いつも耳を傾けているラジオ番組が終わった。もうすぐ午前4時、俺は浜名湖で見る朝焼けを夢想する。お金では苦労しどおしの人生だったが、朝焼けを見ると疲れが吹き飛んでしまう。俺の王様の時間だ。でも最近、娘の美緒のことを考えると心に影が差す。苦労して大学に入れたのに就職活動をせずにボランティアに本腰を入れたいというのだから。娘にはお金で苦労して欲しくないのに。
格付:C

くびっ! 作:黒瀬ゆか(青春アドベンチャー)

会社ではみなヒロコに気を使ってくれている。半年前に病気で夫をなくした後、まとまった休みを取ることもなく健気に働き続けているから。しかしやはりヒロコの心の中にはぽっかりと大きな穴が開いていた。それを忘れるため、夫の思い出の地を巡る温泉旅行に週末ごとに行っていたのだが…今週は急な台風で行けなくなってしまった。どうしよう…考えた末に思い出したのは生前、夫と行った大手町にある平将門の首塚。あそこから今からでも行くことができる。
格付:A

イジメの彼方 作:櫻井智也(FMシアター)

小学校6年生の息子が学校でいじめを受けたと聞いて広太は決めた。やはり自分が学校に行って担任の教師に直談判するしかない。一晩、妻と二人で話しあったが妻はどうしたらよいかわからないという。そして、息子は親に介入して欲しくないようだ。しかし、高校生の頃にイジメの被害者だった自分なら息子の気持ちを代弁できると思うのだ。
格付:AA

ピンザの島 原作:ドリアン助川(特集オーディオドラマ)

父が自殺してから10年、涼介は母と二人で生きてきた。その母が亡くなる直前、涼介に安布里(あぶり)島に行けと言った。その島に行けば希望を失わない人に会える、と。父と母、そしてその「希望を失わない人」はどういった関係だったのだろうか。3人は昔、チーズ作りを志していたらしいのだが。
格付:A

水を運ぶ 作:足立聡(FMシアター)

毎日、高速に乗って富士山へ向かう。病床の友人のところに水を運ぶためだ。いつかふたりでこの地に住みたいと言った。しかし別れた今、それは叶わない。いや、そもそも彼にもう時間は残されていない。それでも私は水を運ぶ。彼の恋人はそれをどう思っているのだろうか。
メディアミックス情報

いつの間にか「軽業師タチアナ」が漫画になっていた。青春アドベンチャー版とタイトルが微妙に違うのでそれなりに脚色されているのかな。

最近、色々と忙しくブログの更新もオーディオドラマ関連の情報収集も滞りがちなのですが…Xを見ていて「軽業師タチアナ」というタイトルの漫画を発見!
格付:B

森のスケッチブック 作:小林雄次ほか(青春アドベンチャー)

なぜか2つのシリーズにわけて制作されている最近の青春アドベンチャーのオムニバス作品。2026年は「スケッチブックシリーズ」の年らしく、2026年2作品目のスケッチブックとして制作されたのがこの「森のスケッチブック」です。スケッチブックシリーズは「ソラ」とか「風」とか「雨」とか「雪」とか頭上にあるものをテーマとしているイメージがあったのですが、本作品は「森」ですので、そんなルールはないのかもしれません。
格付:A

手が冷たい 作:小松波瑠(FMシアター)

佐々木風子は道東・風蓮の漁師だ。この地で100年続いてきた伝統漁法・氷下待網漁(こおりしたまちあみりょう)を夫とふたりで続けてきた。しかし夫が他界した今、ひとりではとても続けることができない。そもそもこんな厳しい漁、どうして続けないといけないのだろう。娘が手をつないでくれないほど冷たい手になってまで。ああ、それにしても手が憎い。この冷たい手が憎い。
格付:B

14年目のハッピーバースデー 作:石原理恵子(FMシアター)

美咲の人生最初の記憶は2011年3月11日のものだ。その日は美咲の5歳の誕生日で、バースデーケーキを受け取りに行った祖母はそのまま戻らなかった。だから大学に入って初めてできた友達の萌が震災の語り部ガイドのボランティアを始めたのも複雑な気持ちで見ていた。萌にどうして欲しいということがある訳ではない。美咲は聞いて欲しいのだ。自分の中にある思いを、ただ聞いて欲しかったのだ。
格付:B

田毎の月が沈む 原案:安田淳一、作:大村仁望(FMシアター)

あの日、母親に手を引かれて姉と3人で村を出てから30年。瑞穂は父親がどうしているかなどに関心を持たなかった。母親と自分たち姉妹を捨てた父親を憎んでいたからだ。父親が死んだとの連絡をもらい帰省して初めて、父親がずっと棚田で農業を続けていたこと、彼に内縁の妻と息子がいることもを知った。そして赤字の棚田は誰も継ぐ者がいないということも。
タイトルとURLをコピーしました