格付:B

ワンさんは働き者 作:三井隆(FMシアター)

名古屋でラーメン屋を営む初老の夫婦の元に、日本語の怪しいアルバイト希望の若者が転がり込んできた。少しでも赤字を減らしたい妻の提案で受け入れることを決めた店主だが、彼のやることはどこかおかしい。夜中に“太陽系音頭”を大声で歌うわ、大量の放射性廃棄物を一般ゴミに出すわ。耐えきれなくなった店主は、どこから来たのか彼に問いただすが帰ってきたのは奇妙な音ばかり。その若者“ワンさん”曰く「私の故郷の名前、地球上で発音すると超音波になってしまう」。そう彼は宇宙人だったのだ。
青アドの小ネタ

再放送されなかった青春アドベンチャー作品を探る(その2:2000年代編)

NHK-FM青春アドベンチャーの過去の作品で、再放送されていない作品を探す特集記事の第2弾。今回は2000年代(2000年~2009年に初放送された作品)編です。それでは早速スタートです。2000年代…多くの作品が一度は再放送2000年代の...
青アドの小ネタ

再放送されなかった青春アドベンチャー作品を探る(その1:1990年代編)

今回はNHK-FM青春アドベンチャーで再放送されていない作品を探してみます。再放送も善し悪しNHK-FM青春アドベンチャーは平日毎日15分ずつ放送される帯ドラマ番組で、概ね2週間(10回)で1作品を放送するのですが、放送される作品は大きく新...
格付:B

今年の梅は 作:伊佐治弥生(FMシアター)

世の中には“便利屋”という仕事に不信感を持つ人間もいる。確かに家庭内の仕事を手伝うという性格上、その家庭のナイーブな側面に触れざるを得ない面はある。ましてお客が老人の場合、なぜ他人である便利屋に頼むのか、老人の弱みに付け込んで金をとっているのではないかと、依頼人の家族に思われることもある。しかし、それにしても突然現れた倫子さんの大学生だという孫の言い方は失礼過ぎる。これまで倫子さんとは適当な距離を保ち楽しくやってきたのだ。それに私にだって事情はある。女ひとりで便利屋を切り盛りすることはそんなに楽なことではないのだ。
格付:AA

ウブヒメ 作:今城文恵(青春アドベンチャー)

お江戸・浅草の裏長屋に住む5人の男女が、竹藪のあばら家に集まっていた。浪人の天野新右衛門、猿回しの音兵衛役、町奴(侠客)の権太、そしてやたらと目力のある武女(むめ)という少女。彼らが目論むのは権力者、柳沢出羽守保明の屋敷の焼き討ち。罪のない町人たちが磔や追放の憂き目にあう徳川綱吉の世を一刻も早く終焉させるのだ。由井正雪すらなし得なかった大事を目論む彼らにはある切り札があった。それこそが武女の持つ“産火(ウブヒ)”の力。正しい人間である自分が、悪いものを灰にするための力。私が火をつけてやる。
アンケート(年次)

2021年リスナーアンケート結果⑥:アンケート企画自体の反省会

【2021年NHK-FMオーディオドラマ・リスナーアンケートの反省会】2021年リスナーアンケートも本記事をもってようやく結果発表を終わります。なんとか結果発表をできたのはすべて回答していただいた皆様のおかげです。ご協力頂きましてありがとう...
格付:B

これは、私の落とし噺 作:本田誠人(FMシアター)

「母さん落語する。やってもいい?」母が突然、落語家になりたいと言い出した。若かりしあのころの夢にもう一度挑戦したいというのはわかる。若いころオードリー・ヘップバーンに憧れていたのもわかる。でも、なぜ落語?恥ずかしい、絶対やめて欲しい…って言いたかったけど。いつからだろう、相手の顔色を窺って感情を表に出さなくなったのは。目立つな、騒ぐな、叩かれるな。それが私の絶対条件、3箇条。
アンケート(年次)

2021年リスナーアンケート結果⑤:FMシアター/特集オーディオドラマ・その他編

【2021年NHK-FMオーディオドラマアンケート結果発表⑤:FMシアター・特集オーディオドラマ・その他編】2021年FMシアター・特集オーディオドラマの人気アンケートの結果について「作品編」につづき、その他の項目について発表いたします。2...
アンケート(年次)

2021年リスナーアンケート結果④:FMシアター/特集オーディオドラマ・作品編

【2021年NHK-FMオーディオドラマアンケート結果発表④:FMシアター・特集オーディオドラマ編・作品編】青春アドベンチャーと同時にFMシアター/特集オーディオドラマについても、7年目となるリスナーアンケートを実施しました。ご協力いただき...
格付:A

かがみ池のからくり 作:松村武(青春アドベンチャー)

30目前の売れない歴史ライター・能垣拓郎(のうがきたくろう)と、サブカル好きの女子大生・鳥留つむぎ(とりとめ・つむぎ)が向かったのは「かがみ池」。拓郎には微妙なパワースポットにしか見えないが、つむぎがいうには「知る人は知る聖地」らしい。かがみ池の水面をのぞき込むと、何者かの呪いによって陰で操られている人はその陰の主が水面に映る。さらに、その水面に何も映らない場合は…とのことなのだが。もちろん拓郎はこの与太話を信じてここまで来たわけではない。旅雑誌の取材で訪れた祭りで出会った鳥留つむぎという可愛い女の子との距離を縮めたかっただけなのだ。しかし、彼らはそこで歴史ライターでもサブカル好きでも予想もできないような出来事に巻き込まれることになる。物語の始まりは平成バブルがはじけて間もないころ。パフィーの「サーキットの娘」が流行っていた1990年代後半のことである。
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