白狐魔記 元禄の雪 原作:斉藤洋(青春アドベンチャー)
天草の乱から60年。
さすがに人間との付き合いに疲れた妖狐・白狐魔丸(しらこま・まる)は故郷の白駒山に引きこもり続けていた。
一方、師匠の仙人は何やらいそいそと江戸に出かけていく生活を続けている。
白狐魔丸が聞くと、江戸で最近はやりの歌舞伎などの芝居に夢中なのだそうだ。
「芝居はいい!」
とても隠者とは思えない仙人ののぼせぶりに呆れ気味の白狐魔丸。
しかし間もなく彼は、まさに芝居の中に紛れ込んでしまったような、ある数奇な事件に巻き込まれていくことになる。
彼らと出会ったのは、播州・赤穂。
そして事件の発端は、江戸城・松の廊下。