101便着艦せよ 原作:オースチン・ファーガスン(FMアドベンチャー)
その日、サンフランシスコを飛び立つ101便は、センチュリー航空にとって長年の宿願であった北京への定期便の再開第1便だった。
記念式典に出席するボブス副大統領を乗せているという意味でも失敗のできないフライトである。
センチュリー航空はこの101便の運航に、同社切ってのベテランパイロットであるビーミッシュ機長を始めとする3人の機長資格を持つパイロットと練達の航空機関士を配し万全の体制を敷いた。
しかし、機関士のタッド・エリオットにはふたつの懸念事項があった。
ひとつは、貨物室に積まれた靴箱くらいの200個の箱。
積み込みの手筈が如何にも不自然だった。
そして、もう一つは、DC-10に3基搭載されているエンジンのうちの1基である第3エンジンの調子。
「第3エンジンは慢性的に温度上昇の傾向にあり。燃料制御装置を交換。試運転の結果はOK」
直前の整備状況を示す航空日誌にはこのように書かれていたのだが…