
渇きの海 原作:アーサー・C・クラーク(FMアドベンチャー)
極めて粒子の細かい砂が堆積し、あたかも水のように流れている“渇きの海”。そこは月面を代表する観光地だ。セレーネ号は、この危険だが極めて安定した“渇きの海”で運行されている遊覧船である。乗客22人を乗せたその日の遊覧も、月面を熟知したパット船長の操縦のもと、何事もなく進んでいた。そのためパット船長も乗客達も全く想像していなかった。その日、かつて“渇きの海”で観測されたことのない“海面”の陥没が発生することを。そして、奇跡的な確率でセレーネ号がその事故に遭遇してしまうことを。