カルパチア綺想曲 原作:田中芳樹(青春アドベンチャー)
1898年、ロンドン。
ジョー・アッテンボローは「ロンドン絵入新聞」で駆け出しの新聞記者をしている17歳の女の子だ。
父親の元英国下院議員ジェラード・アッテンボローは、選挙に落選した後、見聞を広めると称して、ジョーを放り出して外国に出かけてしまった。
ジョーは父親の所業に呆れつつも、一流のジャーナリストになることを夢見て、毎日、ゴシップ記事の取材に駆け回っている。
ある日、放蕩親父のジェラードが、突然、女連れで帰国してきた。
伊達と酔狂で生きているような父親に反発するジョー。
しかし、続いてハンガリーの大貴族・ヴルム伯爵の息子、イオンがジェラードを尋ねてやってくる。
ハンガリー独立運動の旗手であるヴルム伯爵がオーストリア・ハンガリー二重帝国に幽閉されてしまったというのだ。
これがジョーの大冒険の幕開けであった。