ふたつの剣 原作:早瀬利之(青春アドベンチャー)

格付:A
  • 作品 : ふたつの剣
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : A
  • 分類 : スポーツ
  • 初出 : 2009年3月16日~3月27日
  • 回数 : 全10回(各回15分)
  • 原作 : 早瀬利之
  • 脚色 : 横山玲子
  • 演出 : 末永創
  • 主演 : 松田洋治

大正11年、森寅雄は7歳で伯父の野間清治に引き取られた。
清治は東京で出版社を経営する大実業家であり、野間道場を主催する剣道家でもあった。
寅雄は、野間家の厳しい躾のもとで天性の素質が開花し、剣道の達人と認められるようになる。
しかし、やがて寅雄は「たとえ一片の木の葉であろうとも自分の意思で舞う木の葉になりたい」と野間家の桎梏から逃れる決心をし、アメリカへと旅立つ。
この物語は戦前・戦中・戦後の54年間を、日本とアメリカ、剣道とフェンシングの間で生き抜いた、現代の剣豪の物語である。



早瀬利之さんの「タイガー・モリと呼ばれた男-幻の剣士・森寅雄の生涯」を原作としたラジオドラマです。
原作はノンフェクションのようですが、本ラジオドラマは「実話を基にしたフィクション」と明言されています。

スポーツノンフェクション原作

同じスポーツ系でノンフィクションをベースにしたラジオドラマとしては、最近連続して記事にした「1985年のクラッシュ・ギャルズ」や「闘う女。~そんな私のこんな生き方~」が、武道をテーマとした作品としては2016年の「七帝柔道記」あります。
また、以前紹介した「世紀の大冒険レース~アムンゼンとスコット」もノンフェクションベースの作品です。

スポーツはアドベンチャー

青春アドベンチャーはあくまでラジオドラマの枠なので、原作をベースに、ある程度ドラマ風に味付けしているようですが、実話がベースであるととても興味が湧きますね。
考えてみれば、スポーツは日常生活に隣り合った最も身近な「アドベンチャー」で、特にアスリートの人生は「事実は小説よりもアドベンチャー」なのかもしれません。

超人?

さて、作品は森寅雄の波乱に富んだ人生を追うドラマです。
剣道とフェンシングの双方で達人と称えられた剣士、というとまるでフィクションのような話ですが森寅雄は実在の人物だそうです。
ただ本作はそういった超人的な人物像よりも、むしろ幼くして他家に預けられる寅雄の苦しみや、微妙な関係にならざるをなかった寅雄と野間恒(野間家の次期当主である寅雄のいとこ)との葛藤など人間的な部分にスポットが当てられています。
舞台となる時代も戦争へと突き進む暗い時代であり、特に寅雄はアメリカと縁が深いためつらい時期を迎えることになります。

成長物語

しかし、過度に湿度の高い話になることもなく、正眼に剣を構えて前のめりで倒れるような、背筋のピンと伸びた寅雄の成長物語としてなっています。
なお、「ふたつの剣」のタイトルの意味は最後話(第10話)にようやくが明かされます。
お楽しみに(タイトル回収が秀逸な作品はこちらにまとめています)。

主演は松田洋治さん

主役のタイガーモリこと、森寅雄を演じるのは懐かしの松田洋治さん。
NKH-FMのラジオドラマではアドベンチャーロード時代からの常連出演者さんでした。
とても優しい語り口の方で、すでに紹介した作品では「西風の戦記」の四郎役がありますが、その他にもたくさんの出演作品があります。
特に思い出深いのは、宮崎駿さん原作の「シュナの旅」のシュナ役や、奇作「オルガニスト」のヨーゼフ役でしょうか。
最近では「毒見師イレーナ」にも出演されています。
「シュナの旅」は「もののけ姫」の原典といわれますが、そういえば松田さん、アニメの「もののけ姫」にも、「シュナの旅」と雰囲気が似ている「風の谷のナウシカ」にもご出演されていましたね。

ヒロイン役は田畑智子さん

また、ヒロインの貞子役はNHK連続テレビ小説「私の青空」でヒロイン・北山なずなを演じた田畑智子さん。
田畑さんは「風になった男」でもヒロインを演じていました。
本作は貞子が、寅雄の先祖であり戊辰戦争で戦死した森要蔵・虎雄親子の墓を訪ねて、亡き夫の思い出を語る形になっています。
こちらもとても優しい語り口です。



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