年忘れ青春アドベンチャー・干支シリーズの作品一覧

「年忘れ青春アドベンチャー・干支シリーズ」とは1993年から2009年までの17年間連続で、NHK-FMのラジオドラマ番組「青春アドベンチャー」で放送された特番作品です。
例年、12月最後の青春アドベンチャーの枠1週間(月曜日から金曜日までの5回)を使って放送されました。

コント?ドラマ?

なお、当ブログで各作品を紹介した記事では「この作品はラジオドラマではなくコント」と書いています。
しかし、一応、

  1. 銀河連邦は監視員を送り込んで地球の文明の成熟度合いを監視している。
  2. 監視員は毎年違う12種類の動物に変装しながら地球を監視しており、それがどこからか人間社会に漏れたのが十二支。
  3. 監視員は毎年12月に交代するが、その引継ぎをコント仕立てでやっている。

という設定があり、大枠はギリギリ、ラジオドラマの範疇にあります。

ひとつの長い作品?

また、この設定から主演の2名のうち1名が翌年も出演することになり、一応の連続性も保たれています。
よって本シリーズをひとつのラジオドラマととらえるのであれば、青春アドベンチャーにおける他の長編作品をも超える最長の長編ということもできなくはないのですが、そうはいっても中身はほとんどショートコントの集合体に過ぎないというのも事実です。
とにかく青春アドベンチャーの年末は、この作品で、面白おかしくその1年の出来事を振り返るのが恒例でした。

各回の出演者など

各年のタイトル及び担当された演出家、それに男女一人ずつの主演者を一覧にすると以下のとおりです。
演出家は年により様々ですが、脚本は一貫して脚本家の藤井青銅さんが担当されました(干支シリーズ以外の藤井青銅さん関連作の一覧はこちら)。
ただし、2001年の「ひょうたんから‘午’」だけは藤井青銅さんと他の脚本家さんとの共作です。
なお、藤井青銅さんのブログによれば、駄洒落でつけられている各作品のタイトルは、藤井さんが付けたのではなく「私とは関係ないところで命名される。」のだそうです。
ただし、1997年の「モ~タイガーにしなさい」は例外的に藤井さんが付けたものだそうです。
他の年とさして違いはありませんけど。

放送年 タイトル 演出家 出演者
男性 女性
1993 我輩は犬である 千葉守 阿藤海 小林美江
1994 イノシシが来た 千葉守、岩谷可奈子 伊藤留奈
1995 ねずみのチュー告 千葉守、松浦禎久 今村ねずみ
1996 モー!いいかげんにして! 松浦禎久 小川範子
1997 タイガーにしなさい! 松浦禎久 筧利夫
1998 「卯」の音も出ない! 松本順 渋谷琴乃
1999 辰のお年頃 藤井靖 温水洋一
2000 2001年巳年の旅 川口泰典 飯塚雅弓
2001 ひょうたんから‘午’ 吉田努 東地宏樹
2002 迷えるお未年 吉田努 川村ひかる
2003 申モノにござる 吉田努 福田天球
2004 今夜はバードいこう! 大久保篤 原史奈
2005 来年こそはワン!だふる 大久保篤 佐藤正宏
2006 イノシシ ボンバイエ! 大久保篤 別府あゆみ
2007 俵のねずみがマウスでチュー! 真銅健嗣 松尾貴史 菊地美香
2008 モー、ギュッー!っとして 真銅健嗣 加藤夏希
2009 燃えよ虎の子 小島史敬 ふかわりょう

なお、上記のうち、2006年の「イノシシ ボンバイエ!」のみ1回60分の枠で放送されました。

試行錯誤の段階

また、この干支シリーズが開始される前の1991年・1992年(1991年は前身番組の「サウンド夢工房」にて放送)には、干支シリーズの形態にはなっていないものの同じ藤井青銅さんによる1年を振り返るコント作品が放送されていました。
試行錯誤の末にたどり着いた「干支」の形が1993年から続いていくことになったのだと思います.
関連作品として紹介すると以下のとおりです。

放送年 タイトル 演出家 出演者
男性 女性
1991 考古学的考察による1991年 香西久 山口良一 天地総子
1992 アドベンチャー的五大ニュース 笹原紀昭 風見しんご 鶴岡優紀子

Hirokazu

オーディオドラマの世界へようこそ!

View Comments

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    小学生のころから青春アドベンチャーにはまり、94年の「イノシシが来た」をリアルタイムで聴いておりました。当時12歳、小学6年生の冬です。

    番組中で「中11年のレギュラー番組!ギネスに申請しようか!?」との阿藤海さんのセリフがあり、自分は11年後も必ず聞こうと決意。
    それから時は流れて2005年の冬。中学高校大学を経て23歳の社会人になった自分は、年末にワクワクしながらラジオをつけて・・・

    ・・・あれ?戌年の演者が阿藤快さんじゃない!そんなー!ガーン!!

    11年越しのワクワクが裏切られました・・・(´;ω;`)

    肩透かしを食らったものの、93年~97年ぐらいのいわゆる「青アド黄金期」に、色々な面白い作品に出合えたのは本当に良い思い出です。ラジオがきっかけで原作本もたくさん読み、世界が広がりました。舞台俳優さんや宝塚出身女優さんが多く出演されていたので、演技も活き活きとして楽しかったです。

    以上、半分グチで半分懐かしの思い出でした。お目汚し失礼致しました…

  • SECRET: 0
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    MASAさま

    コメント、ありがとうございます。
    そうなんですよね、1周回った後の演者さんが変わっているんですよね。
    確かにそこは少し残念。
    でも1周回った後も(さらにいればその後も長い間)番組が続いているのは素直にすごいですよね。

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Published by
Hirokazu
Tags: コント

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